2011 Fiscal Year Research-status Report
日常生活における咀嚼回数が地域住民の生活自立度やQOLに与える影響
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23593092
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 英輝 長崎大学, 大学病院, 講師 (70294064)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 咀嚼回数 / 食べる速さ / 肥満 |
Research Abstract |
長崎大学歯学部では、同大学工学部と共同して側頭筋の動きを圧力センサーで感知することで咀嚼回数を計測する機器を開発した。本研究の目的は、この計測器を使用して、中年期から高齢期成人における日常の食事にかかる咀嚼回数が、日常生活自立度やQOL(生活に対する満足度など)に与える横断的、あるいは縦断的な影響について明らかにすることである。 長崎県佐世保市在住の食生活改善推進員に対して調査参加の募集を行ったところ、169名の応募があり、うち実際に調査に参加した者は154名であった。調査は、平成24年1月、佐世保市内の8つの公民館にて実施した。 調査当日は、おかずの量と内容を統一した規格弁当(市内の弁当屋にて調理)を準備し、実際に弁当を食べ終わるまでの咀嚼回数と時間を計測してもらい各人の基礎データとした。あわせて、食生活習慣、肥満度、日常生活自立度、QOLに関する質問紙調査を同時に実施した。 咀嚼回数が測定できた142名における規格弁当を食べ終わるまでに要した咀嚼回数の平均は、1226回であった(最小値:543回、最大値:1965回)。自覚的な食べる速さ別にみた咀嚼回数の平均値は、食べる速さが遅くなるにつれて、咀嚼回数は有意に大きくなり、「とても速い」とした者で879回、「遅い」者で1364回であった。また、BMIによる区分別にみた咀嚼回数は、BMIが25以上の者では1118回であり、25未満の者(1259回)と比較して、有意に小さかった。自覚的な食べる速さと肥満との関連は多くの先行研究にて示されているが、咀嚼回数についても肥満との関連があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
佐世保市在住の食生活改善推進員を対象としたため、調査日程の調整に手間取ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、調査結果をもとにした啓発普及活動を図る。25年度は、同一対象者に対して、同様の調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた調査対象者数に満たなかったため、当初予算額と比較して使用した研究費が小さかった。来年度は、対象者の範囲を拡大し、追加調査ができないか検討中である。
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