2013 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活における咀嚼回数が地域住民の生活自立度やQOLに与える影響
Project/Area Number |
23593092
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 英輝 長崎大学, 大学病院, 講師 (70294064)
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Keywords | 咀嚼回数 / 食べる速さ / 肥満 / GOHAI |
Research Abstract |
研究代表者らは、長崎大学工学部と共同して側頭筋の動きを圧力センサーで感知することで咀嚼回数を計測する器機を開発した。本研究の目的は、この計測器を使用して、中年期から高齢期成人における日常の食事にかかる咀嚼回数が、日常生活自立度やQOLに与える横断的、あるいは縦断的な影響について明らかにすることである。 長崎県佐世保市在住の食生活改善推進員に対して調査参加の募集を行ったところ169名の応募があり、うち平成24年1月に実施した初回調査に参加した者は154名であった。初回調査時には、おかずの量と内容を統一した規格弁当を食べ終わるまでの咀嚼回数と時間を計測してもらい各人の基礎データとした。あわせて、身体計測、および食生活習慣や口腔に関連した包括的な健康関連QOLを測定する尺度(GOHAI)を同時に聞き取った。規格弁当を咀嚼した回数を測定した142名では、自覚的な食べる速さと客観的な咀嚼回数は、身体測定から算出した肥満度と有意な関連を示していた。また咀嚼回数が多い区分では、GOHAI得点が高い区分の割合が有意に大きく、咀嚼回数とGOHA得点との関連が示された。しっかりと噛んでゆっくりと食事をすることは、肥満予防のみならず、口腔と関連した健康関連QOLを高める可能性があることが示唆された。 平成25年11月、初回調査参加者に対して再度、身体測定を実施した。参加者は、107名(男性17名、女性90名)であった。初回の自覚的な食べる速さや客観的な咀嚼回数区分別にみた体重、あるいは腹囲の変化には一定の傾向を認めなかった。中年期、あるいは高齢期における食べる速さは、短期間における体重、腹囲の変化を予想できないことが示唆された。
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Research Products
(3 results)