2013 Fiscal Year Annual Research Report
介護者のQOLの実態把握と口腔ケアによるQOL向上の可能性の検討
Project/Area Number |
23593097
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
相澤 文恵 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (80216754)
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Keywords | QOL / 介護負担感 / セルフエスティーム / 職務満足度 |
Research Abstract |
本年度は自由回答の分析、家族介護者(以下家族)の介護負担感の地域差の分析を行い、研究の総括を行った。分析にはIBM SPSS Statistics 19.0を用いた。 ①自由回答をデジタルデータ化し、Text Analytics for Surveys Japanese 4.0を用いてテキストマイニングによる形態素分析を行い、頻出語を抽出した。家族調査からは「困っている、イライラ、ストレス、不安、心配、大変」等が抽出された。自由回答記載者の介護負担感は非記載者より高く、QOLは低かった。介護施設職員(以下職員)調査からは「社会的、身体的、精神的、仕事量、待遇、給料が安い、やりがい」等が抽出された。記載者のSE、個人的達成感は非記載者より高かったが、QOLは低く、介護負担感は高かった。職務満足度には差は認められなかった。 ②回答者を居住地域から内陸(1,783名)と東日本大震災津波被災地域(571名)に二分し、性差、年齢差がないことを確認後、介護負担感、セルフエスティーム(以下SE)、QOLの差を分析した。その結果、介護負担感、MCS、GOHAIには有意差は認められず、SE、PCSは被災地域で有意に低かった。ついで、重回帰分析により介護負担感に関わる要因を推定した。説明変数には過年度の分析に用いた項目に地域(ダミー変数)を加えた。その結果、「ソーシャルサポート、要介護度、要介護者の口臭強度、GOHAI、SE」等が抽出された。 ③口腔ケアの意欲のアウトカムとなる歯磨き回数や歯ブラシ以外の用具使用などの有無とSE、QOL、介護負担感の関連を分析したところ、家族、職員ともに実施者でSE、QOLが高く、介護負担感が低かった。 過年度の分析で家族と職員に共通して「介護負担感とQOL、SE、ソーシャルサポート」の連関が認められている。本年度の分析結果と総合し、要介護者の口腔環境を改善すること、介護者の口腔ケアへの意欲を高めることが介護負担感の軽減に寄与し、QOL向上の要因となる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)