2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593113
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
長野 豊 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (80228048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有城 久美子 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (20460769)
堂前 尚親 大阪歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (60115889)
能登原 靖宏 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (10548324)
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (40200141)
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Keywords | 歯周病 / バイオマーカー |
Research Abstract |
歯周病は,全身的な生活習慣病との間に双方向性の関連があることが明らかにされ,糖尿病の合併症のひとつとしても位置づけられている.全身疾患の予防の観点からも,自身の歯周状態を知っておくことは重要であり,そのためには歯科医による検診を定期的に受けることが望ましいが,わが国では歯科検診が十分普及しているとは言えない.そこで,歯周病治療によって変化がみられる全身的な因子を歯周状態のバイオマーカーとして確立することを目的に,治療中の歯周病患者を対象とした検討を,特に動脈硬化との関連に注目して続けている. 歯周病の新規患者に対して,歯周基本治療の前,終了直後,終了3ヶ月後の3回,口腔内診査,血中脂質を含めた血液生化学検査,flow-mediated dilationによる血管機能検査を行い,対照とする観察群の患者との比較を進めている.対象者のエントリーはすでに終了しており,炎症関連物質の変動についてもデータが得られつつある. 上記の臨床試験のほか,今年度は歯周病と生活習慣病の関連についての実験的な検討も行った.11β-hydroxysteroid dehydrogenase 1(11β-HSD1)は活性を持つステロイドホルモンの合成を担う酵素で,脂肪細胞や肝臓で発現がみられ,メタボリックシンドロームにおける重要性が指摘されている.しかし歯周組織における発現はまだ検討されていないため,この点について健常人と歯周病患者から歯肉組織を得て,RT-PCR法にて11β-HSD1のmRNA発現を比較したところ,歯周病患者における発現が有意に増加していたことと,増加の程度が歯周ポケットの深さと相関していたという知見が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究については対象者のエントリーが終了し,順調にデータが得られている.また,当初は予定していなかった内容であるが,11β-HSD1の歯周組織における発現についての研究成果も得られたことから,現在75%程度の達成度だと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
すでに歯周病と生活習慣病を結びつける基礎的なデータが得られており,最終年度には,臨床研究のデータ収集と解析を進めて,当初の目的を達成したいと考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床検査やデータ解析のための費用,データ整理などに対する謝金,研究成果発表のための費用,論文投稿のための費用などに使用する予定である.
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