2014 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活行動の拡大支援における清拭技術の活用に関する基礎研究
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23593151
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
松田 たみ子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (60239035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 由紀 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (90304592)
村上 礼子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (60320644)
青木 健 日本大学, 医学部, 助教 (60332938)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 清拭 / 日常生活行動 / 血圧 / 心拍数 / 酸素摂取量 / 呼吸数 / 心疾患 / 生活支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、清拭行動を患者の機能拡大を支援する手段として日常生活行動の中で効果的に活用していくための根拠となるエビデンスを明確にすることを目指して、急性期の心疾患患者への安全な生活支援方法を視点に検討した。 方法は、研究目的・方法等の説明を行い同意を得られ、心疾患がなく常用薬の服用がない健康な成人男性10名を対象として実施した。60度のベッド拳上座位で15分間安静後、乾タオルで両上肢・胸腹部位の自己清拭動作を実施し、実施前・中・後を通して、心拍数・血圧・呼気ガス分析値を測定し、呼吸循環系への負荷と動作について検討した。各部位を拭く回数は往復5回と往復10回とし、50回/分の速さとして、2種類の拭く回数をランダムの順に1時間のインターバルをおいて実施した。 その結果、心拍数は5回・10回の自己清拭動作の実施中増加が認められ、10回実施では実施中全てに有意に増加が認められた(p<0.05)。血圧は収縮期血圧・拡張期血圧ともに、動作開始後半に上昇傾向が認められた。酸素摂取量は、動作開始後より経時的に増加し、5回・10回実施ともに30秒経過時以降に有意に増加がみられた(p<0.05)。呼吸回数は、動作実施中を通して2~6回/分の有意な増加が維持された(p<0.05)。 これらの結果から、自己清拭動作実施前・中・後を通して、呼吸・循環系の指標は関連して変化しており、自己清拭動作中に呼吸循環系の活動が高まることから、心疾患患者の安全な自己清拭の実施において、ケア中の観察を十分に行うとともにケア後は、ケア中の状態の変動を踏まえた観察が重要であることが明らかとなった。患者の生活行動拡大への支援につながる本研究成果は、急性期であっても欠くことのできない日常生活を、患者自らが実施できる実感を提供する看護技術開発にとって重要な意義がある。
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Research Products
(2 results)