2012 Fiscal Year Research-status Report
インタープロフェッショナルワークに従事する専門職の自己評価尺度の開発
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23593156
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
大塚 眞理子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (90168998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 真美 東都医療大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00164822)
國澤 尚子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20310625)
丸山 優 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (30381429)
新井 利民 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00336497)
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Keywords | Interprofessional Work |
Research Abstract |
本研究で開発しているインタープロフェッショナルワークの自己評価尺度(IPW自己評価尺度)は、専攻研究で作成したIPWコンピテンシーリスト37項目から6因子24項目に絞り込んだ調査票を作成した。平成23年度末に24項目調査票による6病院の全職員を対象にした調査を実施し、平成24年度はこのデータ分析および成果報告を行った。調査は埼玉県内および東京都で地域医療の拠点として診療を行っている6病院の全職員2,231人を対象とした。回答数は1,530人(回収率51.2%)であり、有効回答数1,440人を分析した。平均年齢は37.8±11.1歳(18~73歳)であり、現在の職種の平均経験年数は11.9±7.3年(0.1~43.8年)であった。職種は、看護師77.3人(50.5%)が半数であり、事務職233人(15.2%)、その他医師、臨床検査技師、理学療法士、薬剤師、理学療法士、ソーシャルワーカー等であった。24項目について「している」「時々している」「あまりしていない」「していない」の4件法で得た回答結果から、天井効果およびフロア効果がみられた7項目を除外し因子分析(主因子法、プロマックス回転)を行った。その結果、2因子が抽出され、累積寄与率は第1因子が54.6%、第2因子までで61.2%であり、各項目の因子負荷量は0.94~0.45であった。第1因子は「チーム活動の実践」、第2因子は「相互理解」と命名した。Cronbachの信頼性係数αは全体では0.952、第1因子は0.94、第2因子は0.900であり、因子同士の相関は0.724であった。今回の調査により、IPW自己評価尺度の構造が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は「筆者らの先行研究で明らかになったインタープロフェッショナルワーク(以下、IPW)に必要なコンピテンシーリストをもとに質問項目を作成し、病院のチーム医療を担う専門職、高齢者施設のチームアプローチを担う専門職および地域ケアにおける多機関間連携に携わる専門職を対象に調査を行い、本邦における保健医療福祉系専門職の連携・協働自己評価尺度(IPW自己評価尺度)を開発すること」であった。先行文献や病院職員を対象に行ったインタビュー調査をもとに作成したIPWコンピテンシーリストは37項目であり、24項目への絞り込みを行って調査票を作成することができた。さらに信頼性・妥当性のあるものにするために、地域医療を担う拠点病院での全数調査から17項目に絞り込むことができた。今回の調査対象は地域医療を担う地域の拠点病院であり、その特性を反映するものとなったと考えている。当初の研究目的では、病院、高齢者施設、地域ケアにおける多機関連携も視野に入れていたので、高齢者施設及び多機関に所属する地域ケアの専門職のIPW能力も図れる尺度であるのかの検討は次年度の課題とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、最終年度となるので地域医療を担う地域病院版IPW自己評価尺度としての検証を行うために、17項目の調査票で病院職員の全数調査を行う。平成24年度調査とは別の地域医療を担う拠点病院で全数調査を行って検証する。さらに治療の場ではなく生活の場である高齢者施設の施設内全職員を対象とした調査と、地域で多機関連携を行いながらIPWに従事しているケアマネジャー、ヘルパーおよび訪問看護師を対象とした17項目IPW自己評価尺度を使った調査を行って開発したIPW自己評価尺度の汎用性を検証し、当初の研究目標・計画を達成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に開発したIPW自己評価尺度は地域病院の全職員を対象としたものであった。当初の計画では高齢者施設の職員および地域を多機関間連携に従事している専門職にも調査し、汎用性を検討する予定であったが、これらは平成25年度の課題として、調査費用を25年度に繰り越した経緯がある。3つの調査を実施するために、調査票の印刷、調査依頼などに出向く旅費、施設および対象者へのお礼、データ入力の経費、データ管理や分析のための機器と人件費が必要となる。調査結果について考察するための関連書籍や資料の購入、IPE/IPWの研究者との意見交換のための経費や旅費、調査結果を施設などにフィードバックするための経費や旅費を必要とする。第6回日本保健医療福祉連携学会学術集会や日本看護科学会第33回学術集会などでの発表のための経費や旅費が必要となる。本研究は 最終年度であり、研究論文の作成や総括となる報告書を作成する経費が必要である。
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Research Products
(5 results)