2011 Fiscal Year Research-status Report
目標管理制度が看護師のキャリア発達に及ぼす影響-キャリア・プラトー現象の観点から
Project/Area Number |
23593160
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
松下 由美子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (00190455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 寛 青山学院大学, 経営学部, 教授 (30240120)
田中 彰子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (70571206)
吉田 文子 佐久大学, 看護学部, 准教授 (80509430)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 病院看護師 / キャリア・プラトー / 目標管理制度 |
Research Abstract |
臨床看護師を対象として実施される目標管理制度が、看護師のキャリア発達に有効に働くための条件や仕組みを明らかにするための第1研究として、病院看護部門における目標管理制度の実態調査を行った。A県内の60病院(全数)のうち、調査依頼に応諾した19病院の看護部門責任者に対するヒヤリングを9月~10月に実施した。1.目標管理制度運用基準の有無、2.人事考課制度とのリンク、3.面接方法(誰が・いつ・どのように)、4.面接者のトレーニング、5.導入の成果・課題、等をガイドラインに沿って聴き取り、対象者の許可を得てICレコーダーに収録した。ヒヤリングによって得られた情報から逐語録を作成し、複数の研究者が共同して先述した項目ごとに内容分析を行った。 その結果、1.運用基準を7施設(36.8%)が持っていない。2.人事考課制度とリンクしているのは8施設、うち4施設が目標管理制度による評価結果を給与に反映させている。3.面接方法では、面接者は直属の上司であることが多く、小規模病院では看護部責任者が実施することもある。4.面接者のトレーニングは11施設(57.9%)で実施していると回答したが、組織的な取組は1施設である。5.導入の成果指標を持つ施設はわずかである。制度導入の成果を感じられると回答した15施設(88.0%)のうち、キャリア発達の観点について述べられた内容は、研修への主体的参加、キャリアアップ志向の職員の増加、看護研究への積極的な取り組み、ラダーレベル申請者の増加の4点である。病院機能評価の評価項目に目標管理制度の実施が組み込まれて以来、導入する病院は増えたものの、面接者トレーニングや成果指標が不十分なまま実施されている実態にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力病院を得るためのA県内医療機関(全数)を対象とした郵送法調査の実施、研究協力依頼に応諾した19医療機関の看護部門責任者への聞き取り調査の実施、それらの結果を逐語録としたデータの質的分析を実施した。さらに、分析結果を関連学会に報告する準備、分析結果と先行研究をもとに看護師及び施設調査を実施するための質問票の作成を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
調査協力依頼に応諾を得られた施設が19と予定を下回ったため、旅費が低額で済んだ。物品費については、23年度調査では質的なデータ分析を行ったため、統計解析ソフトの購入を行わなかった。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度の補助金受給額が総額70万円であるため、本調査(約3000名を対象とした質問紙調査)に必要な諸費用(印刷費、郵送費、データ処理費、会議のための交通費)に充当する予定である。
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