2013 Fiscal Year Annual Research Report
目標管理制度が看護師のキャリア発達に及ぼす影響-キャリア・プラトー現象の観点から
Project/Area Number |
23593160
|
Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
松下 由美子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (00190455)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 寛 青山学院大学, 経営学部, 教授 (30240120)
田中 彰子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (70571206)
吉田 文子 佐久大学, 看護学部, 准教授 (80509430)
|
Keywords | 看護師 / 目標管理制度 / キャリア・プラトー / キャリア発達 / 内容プラトー / 階層プラトー |
Research Abstract |
医療機関では、「病院機能評価機構」が評価項目に目標を揚げて活動することを盛り込んだ影響もあり、目標管理制度(以下、制度)の導入が1999年以降急速に進んだ。グレッグら(2009)は、看護師のキャリア発達支援において、上司の支援を含む目標管理がキャリア発達に有用と答えた者は少なく、制度の見直しも必要としている。そこで本研究では、キャリア発達の停滞を示すキャリア・プラトーの概念を用いて、医療機関で実施されている制度が、看護師のキャリア発達に及ぼす影響を明らかにすることとした。 A県内28病院に勤務する臨床経験3年以上の看護師(管理職を除く)を対象に質問紙調査を2012年9月に実施、1,204票を回収、921票の有効回答(76.5%)を分析した。測定項目は、階層プラトー化、内容プラトー化各5項目、制度運用に関する自作(奥野,2004を参考に作成)の18項目、いずれも5段階リカート尺度を用いた。また、過去1年間に対象者が病院や上司から受けた支援の有無に関する11項目を設けた。 プラトー化尺度を従属変数、単回帰分析で有意であった制度運用項目などを独立変数とした重回帰分析を実施した。その結果、階層プラトー化を従属変数とした分析は、有意ではなかった。内容プラトー化尺度を従属変数とした分析では、現在の職位の高さ、専門学歴、所属施設での配置転換、個人目標は自分自身が掲げた、目標管理面接がやる気に繋がった、病院や上司や受けた支援として活動時間・学習機会の提供・精神的支援等が内容プラトー化を抑制していた。一方、個人目標には施設や上司の意向が強く反映されているは、内容プラトー化を促進していた。 専門職である看護師では階層プラトー化は注視すべき問題とはなりくいこと、目標達成のための上司・同僚からの支援、スタッフを動機付ける目標面接のスキル等が内容プラトー化の抑制に効果があると言える。
|
Research Products
(3 results)