2011 Fiscal Year Research-status Report
医療安全教育の効果検証に用いる眼球運動指標の有効性
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23593179
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
江上 千代美 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (50541778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 恭介 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (30173347)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 危険認知 / 医療安全教育 / 眼球運動 |
Research Abstract |
看護学生および看護師を対象とした危険認知の向上および医療安全教育の効果を評価する客観的指標解明のための基礎研究として、危険要素を含む看護場面の危険認知と眼球運動との関係について検討することを目的とした。 23年度はヒヤリハット事例をもとに、危険要素を含む看護場面の検討および作成を行った。結果、療養上の世話場面および診療の補助場面に危険要素を盛り込んだ写真32枚をI病院看護師とともに作成した。次に、看護場面に潜む危険認知について、眼球運動の標準値測定を行った。対象者はエキスパートナース(看護師5年目以上)とし、対象者に眼球運動の測定を開始した。測定機器は眼球運動測定装置(アイマーク・レコーダnac社:EMR-8)を用いて行った。なお、研究の実施にあたり、福岡県立大学倫理委員会の承認を得た。実験手順はシールドされた実験室で、参加者は椅子に座り、アイマーク・レコーダを装着し、顔を顎のせにつけた。その後、60cm前方のコンピュータ画面(17インチ)に映し出される画面を注視するように指示して行った。写真呈示時間は5秒である。 現在(平成24年4月28日)の段階で、看護師13名の測定が終了した。解析については、サッケード定位位置、危険認知箇所、サッケード定位してから危険認知するまでの時間、瞬目発生率である。眼球運動の解析にはEMR-dFactoryを用いて解析をしている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度の研究目的は日常生活および診療の補助技術における危険の認知について、写真作成およびエキスパートナースを対象として、標準値作成をすることを目標とした。23年度に、合計32枚の危険要素を含んだ写真作成が終了したが、エキスパートナースを対象とした標準値作成が終了していない。その原因として、2点挙げられる。1点目はアイマークレコーダーの故障である。2点目はアイマークレコーダー解析ソフトの故障である。これらの原因によって、日程調整をして実験に参加する予定であった看護師に再度、日程の変更と調整をした。そのため、測定開始が1ヶ月から2ヶ月遅れで開始した。24年4月末の段階で13名の看護師の測定が終了した。予定の20名は5月末日に終了する予定である。その後、20名の参加者の眼球運動を解析し、6月から7月にかけて、看護学生を対象に実験を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度:23年度残額が残ったのは次の理由である。作成した危険認知写真について看護師を対象に測定を行い、標準値を作成する予定であった。しかし、器械の故障により、測定が1~2ヶ月遅れて開始することとなった。そのため、看護師へ支払う謝金、測定補助者、解析補助者への謝金支払いが残額として残った。24年度:23年度予定していた看護師を対象に実験を開始した。5月に20名終了予定であり、解析を終了させる予定である。24年度に計画をしていた療養上の世話に関する医療安全教育を実施する。その前後で危険要素を盛り込んだ療養上の世話に関する写真を呈示し、眼球運動と危険認知の関係について検討する。まず、看護学生を対象に療養上の世話に関する医療安全教育セミナーの参加者を募集する。医療安全教育セミナー参加の意志が確認された対象者にオリエンテーションを実施し、研究の趣旨を説明した後に、同意が得られた人を研究の対象者とする。医療安全教育セミナー受講前後の看護学生の眼球運動を測定・解析する。受講前後の眼球運動の比較、看護学生の受講前後およびエキスパートナースとの眼球運動の比較を行う計画である。なお、眼球運動の解析は瞬目とサッケード定位箇所、サッケード定位時間、危険箇所へサッケード定位してから危険認知するまでの時間について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度研究費 交付予定額直接経費800,000+前年度持ち越し587,630合計1,387,630旅費:研究代表者および研究分担者学会発表(日本看護教育学会、日本看護科学学会、日本看護研究学会)500,000、医療安全教育実施スタッフとの打ち合わせ(1,260×12)15,120、謝金等:実験補助者への謝金50,000、DVD作成看護師謝金謝金(8,000×6回×3名)144,000、看護学生への謝金(1,000×5回×30名×前後2回)300,000、講師謝金(10,000×5回)50,000、看護師(標準値)謝金(5,000×20名)100,000、データ入力および解析アルバイト謝金1日(8,700×26日)226,200
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