2013 Fiscal Year Annual Research Report
医療安全教育の効果検証に用いる眼球運動指標の有効性
Project/Area Number |
23593179
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
江上 千代美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (50541778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 恭介 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (30173347)
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Keywords | 医療安全 / 眼球運動 / 危険認知 |
Research Abstract |
【目的】本研究は医療安全教育を実施し,その受講前後の眼球運動の違いから医療安全教育の効果を検討することを主な目的とした. 【方法】対象は臨床経験10年以上の看護師15名および医療安全教育を受講していない看護学生4年生20名である.医療安全教育は看護師の法的責任,ヒューマンエラー,医療安全の考え方,リスク感性とは,危険認知演習(チューブトラブル)について,90分の講義を4回に分けて実施した.呈示した写真は療養上の世話および診療上の補助場面に関するものである.看護学生の測定は医療安全教育の1カ月前(受講前)と受講後2日(受講後)である. 看護師は勤務が休みのときに測定した.参加者には実験開始前に「今から危険な要素を含んだ看護場面の写真を見てもらいます.写真の呈示時間は5秒間です.危険と感じたらすぐに手元のボタンを押してください.」と説明して開始した.注視点は停留時間0.1sec以上ものを解析した.眼球運動の解析は注視点総数・注視点総時間・危険個所への注視とボタン押し(危険認知)とその時間について解析した.倫理的配慮として、本研究は所属の研究倫理委員会の承認を得た.【結果】医療安全教育前後の比較:注視点総数および注視点総時間の平均に関しては受講後が受講前より増加していた。危険個所への平均注視回数は受講後が受講前より増加しており,その平均注視時間は受講後が受講前より短く,危険認知は受講後が受講前より増加していた.看護師と医療安全教育受講後の学生との比較:危険個所への注視時間において,看護師は学生より短かった.また,危険認知数においても看護師が学生より多かった. 【考察】学生は医療安全教育を受けることによって,危険を判断するまでの時間が短くなり,危険個所に気づくことができている.リスク感性の向上を目的とした医療安全教育の効果を検討するため,眼球運動を指標とすることの有用性が示唆された.
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Research Products
(2 results)