2011 Fiscal Year Research-status Report
基礎看護技術教育モデルの開発と検証-他大学との連携と協働-
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23593202
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
前川 幸子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30325724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 豊美 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (50315321)
服部 容子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション, 講師 (20337116)
阿部 朋子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション, 助手 (60512340)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 基礎看護技術教育 / 学習モデル / 教授法の開発 |
Research Abstract |
I.今年度の研究実施目標:「道しるべモデル」をもとに、複数校で基礎看護技術教育に取り組むにあたり、随時教育実践の調整・評価・修正を行いながら遂行する。II.評価の視点及び内容の検討: 教育実践の調整・評価・修正を行うにあたり、「道しるべモデル」の検証の視点と検証内容を明確化した。検証の視点は以下の3項目である。1.看護技術の習得状況、2.看護実践への関心、3.学習の取り組みやすさ。また、各検証の視点における検証内容とは、1.について:1)学生の主観的評価、2)教員の客観的評価((1)看護技術の習得状況(2)看護実践への関心(3)学ぶ力;患者へ向かう準備、取組み)、2.について:1)生活者としての患者の理解、2)コアの理解の深まり、3)学習テーマの理解、3.について:1)学習の順序性、2)学習の発展性とした。以上について「道しるべモデル」の学習進度と並行しながら、データ収集を行っている。III.データ収集: 以上の内容のデータ収集の方法は、アンケート、および技術テスト評価表である。これらのデータ収集のもと、アンケート結果については、質的量的にデータ化を行っている。今後、統計解析ツール(SPSS,Statistics.18)を用いて、解析を行っていく予定である。また記述内容については、質的機能的にまとめていく方向である。IV.課題:今年度は、本学における「道しるべモデル」を活用した教育効果や課題を明確にする活動が中心となった。そのため、他大学との協同的連携への力点が希薄となってしまった。次年度は、連携を強化しながら、各大学における特徴を踏まえた「道しるべモデル」の効果を明らかにすることが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、看護実践力の基盤となる基礎看護技術教育において、「生活者としての対象の理解」「安全、安楽、自立・自律、その人らしさを踏まえた看護援助」を基軸に据え、基礎看護技術における学習の深まりと広がりを考慮した「基礎看護技術学習の道しるべモデル」の構築及び評価基準の検証を通して効果的な教授方法を開発することにある。 3年計画で取り組んでいる今年度の研究実施目標は、「道しるべモデル」をもとに、複数校で基礎看護技術教育に取り組むにあたり、随時教育実践の調整・評価・修正を行いながら遂行することであった。上記に示した通り、基礎看護技術を系統的かつ効果的に学ぶための「道しるべモデル」を授業で実践的に用いながら、学生の学習状況をデータ化することを通して、教育と研究とをリンクさせながら実践的に研究を進めることができている。 今年度の研究成果としては、本学の特徴を踏まえた学習モデルの使用を検討することができていることから、おおむね順調に進展している、と判断した。今後は、他大学との連携における学習モデルの可能性とともに、学習モデルを活用した教授方略について検討していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
I.次年度の研究目標:次年度の研究目標は、データ収集方法に各大学における教員の参与観察を導入することで、実践的で具体的な「道しるべモデル」の教育的信用性、妥当性、汎用性について検討することである。また、今年度も研究成果も踏まえて、本研究の途中経過を中間報告としてまとめ、学会発表を通して検討の視点をさらに焦点化していくことを試みる。II.具体的な実施内容:1.他大学での実用可能性の検討を行う(2012年5月から開始)。2)今年度、本学における評価内容を参考に、他大学での「道しるべモデル」を用いた教育実践とその評価をもとに、モデルの可能性を検討する。2.「道しるべモデル」を用いた学生の学びの様相に関するグループインタビューの調査を行う(2012年5月から開始)。今年度行ったアンケートでは、学生の学習の全体的な傾向を知ることができた。さらに今年度は、個々の学生の学習状況の過程を追跡していくことにし、より具体的な「道しるべモデル」の実用可能性について検討する資料とする。1)新入生を対象に、看護技術の学びに関するグループインタビューを行う(時期としては学期の節目に実施)。2)学生のインタビューから、モデルに示すコアとなる「生活者」「学習テーマの理解」「学習の順序性」「発展性」「難易」に関する学習の学びやすさについてその実態を把握する。3)研究協力者の公募・インタビューの概要の作成、およびインタビューの実施、データ処理、分析の視点などの検討を行う。3.「道しるべモデル」の検証の継続:1)アンケート用紙からの集計・分析、2)技術テスト評価表からの集計・分析。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、主にデータ収集およびその解析に向けて研究費用を用いる。1.他大学と共同的に検討を進めていくための、交信費、交通費などの費用、2.看護学教育に関する学会等への参加に向けた準備費用など、3.教授方法の検討の際に参考にするための、他大学(参考にしたい大学数校)への授業演習への参加のための謝金、専門家へのスーパーバイズを受けるための謝金など、4.データのトランスクリプトなどの謝金など。
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