2012 Fiscal Year Research-status Report
リフレクションを基盤とした看護技術学習における「教え‐学ぶ」の深化の様相
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23593203
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
脇坂 豊美 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (50315321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 幸子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30325724)
服部 容子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (20337116)
阿部 朋子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助手 (60512340)
城宝 環 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (50638533)
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Keywords | 看護技術 / 看護技術教育 / リフレクション / 看護教員 |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護技術の授業を中核とした学生と教員のリフレクティブな実践の中で、状況や対象者とのやりとりをとおして生起する、「教え-学ぶ」の深化の様相を明らかにすることである。 H23年度の実績をもとに研究方法を検討した結果、授業の実践に該当する【第1段階】【第2段階】のリフレクションの内容を【第3段階】の「リフレクション学習」にタイムリーに生かすとともに、「リフレクション学習」の中で得られた気付きを授業実践にフィードバックしていくことができるようにする必要があるということが見えてきた。そこで、H24年度は、授業の実践に該当する【第1段階】【第2段階】と並行しながら、【第3段階】の「リフレクション学習」を実施するとう形に方法を修正してデータ収集を行った。【第3段階】の「リフレクション学習」は、6月~12月までの間に計10回実施した。参加者は、昨年と同様に毎回10名程度であった。また、【第4段階】の先輩教員とのリフレクションを随時実施した。 本研究では、看護技術の授業において、教授・学習を二項として切り離して捉える構図を超える、新たな捉え方を見出すことを目指している。このような立場で、看護技術学習における「教え-学ぶ」の様相を明らかにしていく際に、ドナルド A. ショーンの主張する「リフレクション」の概念が参考になると考えている。そこで今年度は、基本文献となる「省察的実践とは何か プロフェッショナルの行為と思考」(ドナルド A. ショーン,2007)を採りあげ、抄読会を週1回のペースで実施しながら、研究方法、特に分析方法を中心に検討を行った。 研究の進捗状況としては、データの整理、テープ起こしと並行して、修正した方法に沿ってデータ分析を実施し、分析内容の検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度~平成24年度にかけて、【第1段階】~【第4段階】までのリフレクションを計画どおり実施できた。 本研究の特徴である①授業準備~授業終了後までの看護技術の授業の過程全体を明らかにすることを試みる。②授業実践者である研究者が、自らの教育実践の経験をもとに研究に取り組んでいく。③リフレクションを基盤とした看護技術学習の中で、「学生がどのように看護技術の学習を深めていくのか」「教員がどのように看護技術教育を深めていくのか」について、教授・学習を切り離さずに、「教え-学ぶ」を一体化した状況として捉え、相互に深化していく様相を明らかにするためには、データ収集と並行して研究方法を検討していくことが重要な鍵となる。今年度は、データ収集と研究方法の検討を並行して行い、方法を随時見直しながら研究を遂行していくことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は以下の計画で研究を進める。 1)データの整理、テープ起こし:4~6月 2)データの分析:7月~12月 H23年度、平成24年に実施した【第1段階】~【第4段階】のリフレクションの結果の分析を進める。1~2カ月に1回検討会を開催する。 3)成果発表:12月 明らかになった成果を国内の学会で発表する。 4)報告書の作成:2月 研究全体の成果のまとめとして、報告書を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画どおり、1.データのトランスクリプトの謝金、2.連携研究者によるスーパーバイズを受けながら、方法論の構築、データの分析などを進めていくための研究打合せに必要な国内旅費等に使用する。
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