2012 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害患者を支える主介護者の退院時指導プログラムの構築
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23593216
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高山 望 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 助教 (50451399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 裕子 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 准教授 (40336409)
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Keywords | 高次脳機能障害 |
Research Abstract |
1.目的:在宅高次脳機能障害患者の主介護者に対して調査を行い、介護負担感の実態を明らかにする。また、得られた結果を基に有識者で検討し、4つの障害因子「注意障害」「記憶障害」「遂行機能障害」「行動と感情障害」に対する生活支援プログラム案を作成し、介入研究を行う。 2.これまでの成果:介護負担と当事者の性別(p>0.05)、主介護者の職業、病気、相談者(p>0.05)との関連では有意差はみられなかった。また介護負担と同居年数(r=.043)は相関がみられなかった。介護負担と高次脳機能障害の症状では、記憶障害(r=.508)、注意障害(r=.633)、遂行機能障害(r=.456)、社会的行動障害(r=.658)で、4つ全ての障害に相関がみられた。また、単回帰分析で相関がみられた4つの障害を重回帰分析で分析した結果、社会的行動障害(R=0.668)が介護負担と関連が強く、次いで社会的行動障害+記憶障害で、最終的な重相関係数はR=0.734だった。 また、介護負担度が高い集団9名に対して、エピソード・インタビューによる面接調査を実施した。現在、インタビュー調査結果を「状況」、「概念」あるいは「下位概念」を論証と理論的提示をするために検討している。また、全体を漏れなく網羅した上で、介護ニーズの中核概念を明らかにするために、テキストマイニング手法を用いてmixed Methodsで分析を進めている。 3.今後の課題:質的研究結果を基に、脳神経看護を専門とした研究者による集団で、介護負担の中核概念を検討し、生活支援プログラム案を検討する。その後、介入研究のパイロットスタディを実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
北海道大学病院(北海道)でも終了した後、調査施設として国立障害者リハビリテーションセンター病院に研究依頼をしたが、約6ヶ月間以上研究調査の受諾を得ることができず、研究プロセスが滞っていたため、調査を断念した。 2012年度は、新しく調査施設を設け、聖隷福祉事業団聖隷三方原病院(静岡県)でのアンケート調査を実施した。さらに、一部協力が得られた9名の主介護者にインタビュー調査を実施した。昨年度の調査施設との調整の遅れ(半年間)は、取り戻せていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 2施設のZarit介護負担尺度を用いたアンケート結果を分析し、介護負担の関連因子を明らかにする。 2. 高次脳機能障害患者の主介護者を対象に、エピソード・インタビューを実施した。インタビューで得られた結果は、テキストマイニングと、エピソード・インタビューとで分析する。「状況」、「概念」あるいは「下位概念」を論証と理論的提示をし、介護ニーズの中核概念を抽出する。 3. 脳神経看護を専門とした研究者による集団で、高次脳機能障害患者とその主介護者に対する生活支援プログラム案を作成、精製、協議する。 4. 介入プログラムを実施できるフィールドを準備し、研究協力体制を整える
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度研究費 直接費用200,000円、間接費用60,000円 主任研究者160,000円(内訳:物品費0円、旅費100,000円、謝金60,000円、その他0円) 研究分担者40,000円(内訳:物品費0円、旅費40,000円、謝金0円、その他0円) 研究成果の一部を世界脳神経看護研究学会;WFNN(岐阜)、日本脳神経看護研究学会(岐阜)に発表する予定である。成果発表ための英語翻訳添削のための謝金、交通費が必要である。
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