2012 Fiscal Year Research-status Report
標準的治療を受ける進行非小細胞肺がんを持つ人のライフサポートプログラム開発
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23593218
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
濱田 珠美 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00374273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 洋子 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (30550660)
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Keywords | 進行非小細胞肺がん / 症状クラスター / Functional Status / QOL / 共分散構造分析 / クラスター分析 / 因子分析 / 症状マネジメントケア |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、昨年度の遅れている1)進行期の非小細胞肺がん(Non-Small Cell Lung Cancer:以下、NSCLC)を持つ人の症状クラスター基本モデルの修正と因果モデルの検討とその結果を踏まえた、2)がん患者の症状クラスターに関するケアの文献、「ライフサポートプログラム」素案の考案と欧米の実地による情報収集と推奨適用方法の検討である。 1)については、研究協力の得られた2施設において、適格条件の対象者のエントリーとデータ収集を進め、サンプル計N=34(当初N=60予定)と予備研究結果(N=60)を合計しN=94(平成25年3月31日現在)でSPSS20.0、AMOS20.0を使用し吟味した。 研究協力者94名(男性60.6%)は、平均年齢(SD)63.7(10.8)歳、中央値64.0歳であった。診断からの日数は、平均(SD)368.6(552.2)日、中央値162.0日、PS平均(SD)1.0(0.6)、中央値1.00であり、機能的状態が一昨年度より良好に保たれたメンバーシップとなった。 症状の深刻さの平均値(SD)は、上位5項目で、だるさ疲れ3.4(2.8)、眠気2.9(2.7)、食欲不振2.8(2.8)、足の弱り2.5(2.6)、口の渇き2.4(2.8)、不安2.4(2.7)と続き順位が変化した。以上のスコアに基づき、3症状クラスターの可能性が示唆された。そこで、3症状クラスター基本モデルと昨年度の5症状クラスター基本モデルのそれぞれのGFI(適合度指標)、RMSEA(平均2乗誤差平方根)を比較し、適合性の評価をすすめている。 2)については、適合性の評価結果に基づき、それぞれのクラスターのコアとなる症状を推定し、各症状に関するケアの文献を中心に文献検討を進めている。そのため、欧米実地による推奨適用方法については、来年度実施へ修正とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度科研費実施に当たる助成金交付が8月1日になったことで、研究開始時期が4月から9月にずれ込み、本研究の進捗は約5カ月遅れた。平成24年度には、各施設における担当者の変更や手続きの更新のため、遅れが重なり、サンプル数の少ない進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とする本研究の基盤となる基本モデルの評価に継続した影響を与え因果モデルの検討が遅れている。その遅れを受け、欧米実地による推奨適用方法については、来年度実施へ修正とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成25年度の計画進捗と合わせて、遅れているデータ収集を継続し、予定サンプルサイズに近づける努力によって、サンプル数が100台になることで、共分散構造分析の精度を高め、修正モデルの検討から因果モデルの考案までの研究プロセスの進捗をはかる。このことは、平成25年度の計画である症状深刻さスコアを基に重症度分類を行い、クラスター分析によって、QOL低下を招くリスク集団を特定することの進捗を図ることにつながると考えられ、遅れを修正する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
【研究目的】1.がん患者の症状クラスターに関するケアの文献検討、「ライフサポートプログラム」素案の考案と欧米の実地(M.D アンダーソンCancer Centerなど)による情報収集と推奨適用方法の検討。2.ケアが優先されるライフを脅かされ、QOLの低下を招きやすいサブグループの特定 【研究計画】1.について、(1)文献収集方法は、昨年度までの成果に基づき、症状クラスターを構成するコアの症状を推定し、その症状に焦点化した先行研究論文、文献を収集し、症状クラスタ-への看護介入プログラム内容、適用方法、課題をリスト化して文献を考察することを継続する。例、1昨年度成果としてのB症状クラスター(口の渇き、味覚の変化、眠気、だるさ・疲れ、食欲不振)のコア症状と推定されるだるさ・疲れ(a)、(b)「症状クラスター」or「症状クラスターズ」、(c)「介入」、(d)「ケア」群との演算式を作成し、各検索エンジンを活用して、文献を網羅的に検索する。(2)分析・吟味方法;①上記リスト化された文献を吟味対象として、Outcomeモデルを作成する。②これらを踏まえて、「ライフサポートプログラム素案」を作成する。(3)上記素案の推奨適用方法の検討;サポートプログラム適用、実績のある欧米実地病院の視察と情報収集を行い、「ライフサポートプログラム」を外来の場で臨床適用する場合について、ケアの内容の構成、適用方法、課題を検討し、実用性、効果性の高く見込まれる素案として吟味する。 2.について、これまでのサンプル(N=100予定)に基づき、症状深刻さスコアを基に重症度分類を行い、クラスター分析によって、QOL低下を招くリスク集団を特定する。また、QOLとの探索的関係分析から、症状クラスター内症状間の肯定的な効果を最も高め、QOLとの正の関係を生じる構造方程式モデルを探索する。
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Research Products
(1 results)