2011 Fiscal Year Research-status Report
再発治療を受ける乳がん患者の意思決定支援モデルの開発
Project/Area Number |
23593234
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
国府 浩子 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (70279355)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 美華 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (90321950)
柊中 智恵子 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (60274726)
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90382431)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | がん看護 / 再発乳がん / 意思決定 / 看護モデル / 治療選択 / プロセス |
Research Abstract |
本研究の目的は、「再発乳がん患者の意思決定プロセスを支える実践的な看護援助モデル」を開発することである。研究初年度である本年度は、研究課題に関連した文献検討と患者・看護師への調査に向けた準備を行った。 再発乳がん患者に関する看護研究の動向と課題:2001年から2011年までに日本国内で掲載された再発乳がんに関する論文から研究の動向と課題を検討した。原著論文であること、再発乳がん患者・家族に焦点をあてていること、研究手法が記載されていることを条件に検索した結果、対象論文は16件と少数であり、これから研究していく必要のある領域であることが示された。研究内容は「再発乳がん患者の体験」「日常生活上の困難と対処」「家族の思いと反応」「再発乳がん患者に対する看護」の4つに分類された。現象を質的に記述した探索研究や量的に記述している論文が大半であり、再発初期に焦点をあてた心理的研究が多かった。研究数や内容、研究デザインの観点においても、まだ発展途上の段階であることが明らかとなった。 看護師の再発乳がん患者の意思決定支援内容の把握:乳がん看護に携わる看護師に、再発乳がん患者の抱える問題状況と実施している意思決定支援、支援に対する困難さについて、インタビューガイド洗練のためのヒアリングを実施した。その結果を基に、看護師の意思決定支援実践状況と困難さに関するインタビューガイドを作成している。 再発乳がん患者の意思決定プロセスと影響要因に関する調査内容の把握:再発乳がん患者の意思決定に関して、看護師に対してヒアリングを行った。再発初期は生活にあった治療法の選択、再発後期になると生活の変更とともに差し迫ってくる死への準備のための選択といった変化があり、患者個々が抱える異なる問題とともに再発経過に伴う状況の変化の問題が明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精錬されたインタビューガイド作成のために、調査にさきがけ文献検討を十分に行うとともに、看護師へのヒアリングを実施した。そのための時間を要した。また、再発乳がん患者が対象であるため、患者の抱える問題や変化の様相を効果的に対象者からデータ収集するために、当初計画していなかった看護師へのヒアリングを実施したため、実施計画に比べやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画がやや遅れ気味であるため、短期間に多くの対象者を確保するために、再発乳がん患者のリクルート方法の見直しと対象施設の拡大を検討する。また、研究分担者が1名辞退したため、分担者が担当していた質問紙調査を翌年度に繰り越し、面接調査が終了した研究代表者と分担者が担当することとした。研究協力者とアルバイトの雇用で質問紙配布や分析を分担し、研究遂行に支障が出ないように修正する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、「再発乳がん患者の意思決定プロセスと影響要因の調査」を行うとともに「熟練看護師の意思決定支援に関する調査」を行い、知識面・技術面での卓越した事柄を導き出す。25年度は「一般看護師の意思支援実践状況と困難さの調査」を行い、看護師がとらえる困難さを明らかにする。再発乳がん患者の意思決定プロセスを基に、意思決定支援促進要因・阻害要因を考慮した「再発治療を受ける乳がん患者の意思決定支援モデル」を作成する。
|