2012 Fiscal Year Research-status Report
高血圧患者の塩分摂取測定を活用したセルフモニタリングの効果
Project/Area Number |
23593250
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
籏持 知恵子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70279917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 由美子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (00190455)
中村 美知子 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80227941)
角野 雅春 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (50611456)
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Keywords | セルフモニタリング / 塩分計 / 高血圧患者 |
Research Abstract |
本研究は通院中の高血圧患者の減塩に向けた支援として、減塩計とセルフモニタリング手帳を使用することの効果を明らかにする研究である。 今年度は予備調査をふまえ、セルフモニタリングの手帳を作成し、介入内容や調査方法の詳細な打ち合わせを経て、本調査を実施した。 今年度末の時点でのデータ収集状況は、介入群13名、対照群12名の研究協力者の登録がある。その内、約半数の3か月間の介入、データ収集が終了している。 1施設で分析が終了した活用群、非活用群、各男性2名、女性1名づつに関する分析結果は関連学会で発表予定である。活用群における塩分計の活用状況は調査期間の82.2~86.7%であった。活用群では、3か月後に3名中2名は活用前より0.4~1.7g塩分摂取量が低下し、非活用群では3名中2名が0.1~1.9gが低下した。3か月後の血圧値は活用群では3名中2名が収縮期で14~18mmHg、拡張期で18~24mmHg低下し、非活用群では3名中2名が収縮期で22mg、拡張期で4~8mmHg低下した。また活用群は健康手帳に、「味噌汁の濃さを測り、うすいレベルにする」「6gにする等の具体的目標が記述されているが、非活用群では個人の具体的目標の記述はなかった。 現在までの分析結果からは、対象数が少ないため、塩分計活用群、非活用群の3か月後の塩分摂取量や血圧の変化の差異は十分に確認できなかったが、塩分計の使用は個人の減塩への取り組みを現実的にするきっかけとなる可能性も示唆された結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象者予定数は、介入群30名、対照群30名であり、データ収集は本年度中に終了する予定であった。しかし24年度末時点での研究参加登録者数は予定の約半数程度にとどまっている。 その要因として、関西地区のデータ収集施設での調査が病院移転に伴い、その開始時期が大幅に遅れたことがあげられる。また、関東地区の農村地域におけるデータ収集にあたっては、デジタルカメラによる写真撮影の困難性、3か月の介入期間の負担感のため研究参加の承諾が得られない場合も複数回あった。地域により、調査方法の負担感に差があったことも順調にデータ収集が行えなかった要因として推察される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、本年度は収集したデータを分析し、指針を作成していく予定であったが、前述の理由により、予定の対象者に至っていないため、予定対象者数まで、データ収集を継続する予定である。関西地区のデータ収集施設では今後研究参加者数が確保できる見込みがあり、必要時研究補助員を任用しながら予定対象者数までデータ収集を継続する予定である。関東地区の病院においても引き続き、協力の得られる範囲でデータ収集に努める。 またデータ収集を実施しながら、可能な範囲で同時に分析をすすめ、学会等で結果を公表し、予定通り指針案を作成していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は引き続き、データ収集費用、分析並びに結果の公表等のための費用として予算を執行する予定である。 具体的には①栄養分析とデータ保存、血液成分分析に伴う検査費用 ②調査のための交通費 ③関連施設や研究参加者との連絡やデータ送信のための郵送費、通信費 ④研究結果の分析、まとめの打ち合わせのための交通費 ⑤研究成果の発表のための学会参加に伴う費用 ⑥調査時の補助員の任用費用 ⑦調査後の事務処理を行う事務補助員の任用費用 ⑧関連書籍の費用 ⑨事務用品費用 などに関して今年度の繰越額も含めて執行する。
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Research Products
(1 results)