2013 Fiscal Year Annual Research Report
困難が重積する中皮腫に関する看護職向け教育プログラムの開発と評価
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23593263
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
長松 康子 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (80286707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐居 由美 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (10297070)
田代 真理 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (40584173)
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Keywords | 中皮腫 / 看護 / 教育 / インストラクショナルデザイン / ナラティブ / RCT |
Research Abstract |
2011年:先行研究を基にプログラムを開発した。メインプログラム(2日間14時間半)では、講義、患者の語り、ロールプレイを実施し、フォローアップ・プログラム(3時間)で、学習内容の実践結果を討議した。プログラムの効果は、ランダム化比較試験を用いて評価を行った。即ち研究協力者188名を、最小化法を用いて2群に振分け、介入群はプログラムを受講し、コントロール群は自宅学習を行った。2011年末にメインプログラム3回とフォローアップ・プログラム10回を実施し、プログラム前・後と1ヶ月後の3時点で、「胸膜中皮腫のケアに必要な知識(知識)」、「胸膜中皮腫ケアにおける困難感(困難)」、「胸膜中皮腫患者への望ましいケアに対する態度(態度)」を測定した。 2012年:データ分析を行った。介入群はコントロール群に比べ、プログラム後と1ヶ月後の知識と態度の得点が有意に高く、困難感が有意に低かった。プログラム内容は参加者の意見を基に改訂し、看護師向け情報サイトで公開した。また、上級者コースとして胸膜中皮腫の緩和ケアワークショップを開催した。 2013年度:業績発表を行った。プログラムの効果は、英文誌Nurse Education Todayに原著論文として掲載された。要望により中皮腫の多い関西地区で1日プログラムを開催した。 患者数は日本全国で増加し続けており、中皮腫ケアの向上は益々重要性を増している。日本全国から188名の研究参加者があったことは、中皮腫に関する看護師の学習ニーズの高さを裏付けた。本研究は、参加した看護師の知識、困難感及び態度に貢献しただけでなく、中皮腫看護ネットワークという二次的な看護師支援体制をも築いた。これらのことから、本研究は目的であった胸膜中皮腫における看護ケアの向上に貢献したものと考える。今後は、中皮腫が急増しているアジアにおける看護師向けプログラムを展開する。
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Research Products
(9 results)