2011 Fiscal Year Research-status Report
ストーマ周囲皮膚障害予防のためのセルフケア教育システムの構築
Project/Area Number |
23593270
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
紺家 千津子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
内田 真紀 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (70381697)
北村 佳子 金沢医科大学, 看護学部, 助教 (20454233)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ストーマケア / スキンケア / 患者教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ストーマ造設患者がストーマ周囲皮膚障害予防のためのセルフケアを社会復帰後も継続して行える患者教育システムを構築することである。そこで、ケアと皮膚の生理学的所見からストーマ周囲皮膚障害の発生要因と治癒遅滞要因を抽出した。さらに、皮膚障害を認めた対象者の皮膚障害発生と治癒遅滞要因に対して提供されているケアを調査し、各要因に対する効果的な教育方法を検討した。 調査対象者は78名で、皮膚障害発生者は38名であった。ストーマの種類は、コロストミー64.9%、イレオストミー25.2%、ウロストミー9.9%であった。治癒日数までおえた患者は35名で、平均治癒期間は18.9日(レンジ3-59日)であった。皮膚障害の原因は、排泄物による接触皮膚炎64.9%、皮膚保護剤による接触皮膚炎21.6%等であった。皮膚障害の程度は、紅斑10.8%、びらん56.8%、水疱・膿疱25.2%、潰瘍0.9%、組織増大5.4%であった。ストーマ周囲皮膚障害部の生理機能の平均値は、pH6.0、角質水分量29.8%で、健常部と比較し高値であった。発生の要因としては、「体重の増減による腹壁の変化」「季節による発汗多量時に対応した装具交換の未実施」「体調不良による便性状の変化に対応した装具交換の未実施」が抽出された。治癒期間に影響を及ぼす要因については、皮膚・排泄ケア認定看護師が勤務する施設であったためか、現段階では皮膚障害を招く要因を統計学的には抽出できなかった。ただし、「皮膚障害が発生していても気づいていない」「皮膚障害の状態を医療者に伝えられない」「皮膚障害を見たことがないので自分の皮膚に異常があるのか判断できない」という問題点がインタビューから明らかにされた。今後は、皮膚障害が接触皮膚炎以外の対象者を増やし、皮膚障害を招く要因を検討する。さらに皮膚障害の理解度を追及し、適切な教育方法を探る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査症例数はほぼ計画どおりであるが、対象者の皮膚障害に偏りがあるため、治癒期間に影響を及ぼす要因を統計学的には抽出できなかった可能性がある。さらに、調査施設には皮膚・排泄ケア認定看護師のケア介入が入院時から継続的に行われていることも影響していると考える。そのため、皮膚・排泄ケア認定看護師の定期的なケア介入のない調査施設を増やす対応が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の前半は、皮膚・排泄ケア認定看護師の定期的なケア介入のない調査施設を加え、皮膚障害の遅滞要因を検証する。さらに、当初から計画していた教育用の冊子案は、現在明らかにされている皮膚障害の発生要因から作成を手掛けることは可能であり、当初通り教育用の冊子案をストーマケアのエキスパートと審議し完成させていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
デジタルカメラを購入予定であったが、他の研究で年度当初に必要となり購入し、そのカメラを本研究に使用した。そのため、新たなカメラの購入を中止としたが、この研究費については次年度予定していなかった調査の継続をするため、その費用として活用し、調査内容の充実を図る。
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