2012 Fiscal Year Research-status Report
ストーマ周囲皮膚障害予防のためのセルフケア教育システムの構築
Project/Area Number |
23593270
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
紺家 千津子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
内田 真紀 福井県立大学, 看護福祉学部, 講師 (70381697)
北村 佳子 金沢医科大学, 看護学部, 助教 (20454233)
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Keywords | ストーマケア / スキンケア / 患者教育 |
Research Abstract |
今年度は、ストーマ周囲皮膚障害をストーマ患者自身がセルフケアにて予防する教育方法のシステムを作成することを目的に研究を行った。 まず、皮膚障害の発生要因としては、患者自身によって認めたのは①皮膚保護剤のホールカットの大きさが不適切、②面板剥離時の刺激、③誤ったスキンケアが抽出された。さらに、全身状態の悪化、皮膚保護剤などによる化学的刺激によるという自己管理だけではケアできない要因も導き出された。特に、患者自身によって認めた内容については、オストメイト自身が退院時に十分指導を受けていたという認識があるが、セルフケアを継続するうちに、今の方法で困らないから良いと認識していた。したがって、定期的なストーマ外来等を受診していない患者には、定期的に注意喚起する方法を工夫することが教育内容以外に課題となった。 さらに、ストーマ患者を対象に皮膚障害の画像を見てもらい医療者への相談要と判断した割合を調査した結果、皮膚障害の重症度を評価するスケールであるABCD-Stomaの総点0点では 0.0%、1点では33.3%、5点では8.3%、16点では100.0%、30点では83.3%であった。1点以上は受診が望まれる状態であるため、患者が皮膚障害があっても「ない」と判断している恐れがあり、放置することで重症化する危険性がある。したがって、今後は、適切な相談行動に導くための教育方法を検討していく必要もあることが明らかとなった。 そこで、現在作成した①皮膚保護剤のホールカットの大きさが不適切、②面板剥離時の刺激、③誤ったスキンケアに関する教育冊子に、皮膚障害の評価についての項目を加え改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
定期的に外来通院している患者の場合には、①皮膚保護剤のホールカットの大きさが不適切、②面板剥離時の刺激、③誤ったスキンケアに関する注意喚起を医療者が行うことが可能である。しかし、手術後の経過年数が長くなると受診率は減少するため、定期的に注意喚起する方法を検討する必要がある。方法としては、必ず装具を購入するので、使用装具に注意喚起のリーフレットを代理店の協力を得て添付する方法を検討したが、まだ作成を終えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
使用装具に添付する注意喚起のリーフレットを作成する。さらに、ストーマ患者自身が自己の皮膚の状態を正しくアセスメントできる教育方法が妥当かを検証し、システムを完成させる。 その後、このシステム使用の有用性を皮膚障害の発生率、有病率、治癒日数によって検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
定期的に外来通院していない患者を当初は想定していなかったため、それらの患者への指導を実施するための資料作成が必要と判断したが、完成しなかったため印刷に要する費用が残った。しかし、この費用は、課題の対応策が見つかったため、使用装具に添付する注意喚起のリーフレットの作成費の一部に利用し、その他の研究費は当初の計画通り使用する。
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