2012 Fiscal Year Research-status Report
軽度発達障害の幼児を看護支援するペアレントトレーニングと被虐待児への応用
Project/Area Number |
23593282
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
横山 浩之 山形大学, 医学部, 教授 (40271952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 淳子 山形大学, 医学部, 教授 (30250806)
富澤 弥生 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (60333910)
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Keywords | 被虐児 / 幼児 / ソーシャルスキルトレーニング / ペアレントトレーニング / 幼保小連携 |
Research Abstract |
昨年度の研究成果では、PTトレーニング手法が、被虐待児および発達障害がある幼児の双方における有用性があきらかになったものの、該当児における基本的な生活習慣や社会生活スキルの乏しさが新たな問題であることがわかった。すなわち、さらなる行動改善のために、ソーシャルスキルトレーニングの手法をPTに加えて取り入れる必要があることが示唆された。よって、被虐待児・軽度発達障害がある子どもに特化したソーシャルトレーニング(SST)教材の開発を行い、その有用性についての検討を行った。 このような子どもたちでは、作業記憶の乏しさの問題があるため、絵カードなどの手法を用いる必要があるが、病院・施設等で行うSSTでは回数に限りがあるという大きな欠点がある。今回の検討では、絵カードの提示の代わりに、4コマまんがを用いたパンフレット化を試みた。本研究で用いたSSTでは、子どもたちは家庭内や幼稚園・保育園・小学校などで、自己学習や教師・保育士による指導が可能なことが特徴である。 SSTの内容は小学校等の校外学習時に学習できる内容に特化した。おおよそ1000名を対象として、SST開始前後での比較を試みたところ、子どもによる自己評価ならびに教師・保育士による評価のいずれでも、子どもの行動の優位な改善が認められた。 教師・保育士のいずれにおいても、本パンフレットの有用性を認める意見が多かったが、パンフレット内容の改善箇所の指摘もあったため、さらなる改善が来年度の課題として期待されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
幼児ならびに被虐児におけるペアレントトレーニング手法の有用性について検討するのが本研究の目標であったが、この件については、昨年度ないし今年度において調査がおこなわれ、有用性の確認が行われた。 現在は、この課程で浮かび上がった問題点を改善するための研究に着手しており、この意味で、研究は計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究では、新たなソーシャルスキルトレーニング教材の有用性が検証されたが、まだまだ改善の余地があると思われる。 ペアレントトレーニング手法とソーシャルスキルトレーニング教材の統合が最終的な目標にはなるが、その第一段階として、家庭や幼稚園・保育園・小学校で行い得る有用度の高いソーシャルスキルトレーニング教材を開発したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ソーシャルスキルトレーニング教材の開発ならびにその印刷に用いる。 これらの開発に当たり、従前に行われてきた教師・保育士の指導を解析し、質的研究によって、指導要素を取り出し、教育目標分類学に基づいた検討が必要になる。 この検討には、ビデオ録画、録画解析等の装置が必要となるため、研究の進行に合わせて必要物品を調達したい。
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