2012 Fiscal Year Research-status Report
低出生体重児の増加および母体の体重増加に及ぼす妊婦の栄養状態に関する縦断的研究
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23593291
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
久保田 君枝 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (40331607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 初枝 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (70155638)
田坂 満恵 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40593976)
羽持 寛子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10616684)
福岡 欣治 川崎医療福祉大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80310556)
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Keywords | 妊婦 / BMI / 栄養 / 胎児推定体重 / 出生体重 |
Research Abstract |
【はじめに】近年、日本では出生児体重2500g未満の低出生体重児の出産が増加している。特にやせ妊婦は低体重児出産になる傾向が高いなど、Barker説からも母性衛生における大きな問題となっている。そこで、本研究は“妊婦の体重と出生児の体重との関係”を妊娠中の食事摂取状況から精査し因果関係を示すことを目的とした。 【研究方法】対象:A病院で初期の妊婦健康診査時に協力が得られた245名のうち、出産を終えた183名。その内、3回の食事調査のすべてに有効データが得られた135名の母親及びに子どものデータを分析対象とした。分析内容:1)妊娠期間(初期・中期・末期)の妊婦の体重及び胎児の推定体重の測定。2)食事調査:妊娠14~16週、妊娠25~27週、妊娠32~34週の各週の3日間の食事(間食も含む)の栄養摂取量をデジタルカメラにより調査した。分析は栄養計算ソフトを用いて栄養素別摂取量と栄養素別エネルギー比率を算出した。調査期間:2007年9月~2011年5月。本研究はA大学の倫理委員会の承認を得た。【結果及び考察】栄養摂取に関する変数には、分娩時の子どもの体重との関係として有意なものはみられなかった。しかし、母親の体重については、妊娠前期から分娩時に至るすべての期間について、分娩時の子どもの体重と有意な正の相関を示した。また、母親の妊娠時の体重増加については、妊娠前期から中期の体重増加量、および妊娠期間を通じた総体重増加量が、分娩時の子どもの体重と有意な正の関連性があった。分娩に近い時期の母親の体重増加には発育した子どもの体重が比率として大きく含まれることになるが、とりわけ妊娠前期から中期における母親の体重と分娩時の子どもの体重との有意な関係は、母親の体重が胎児の発育と密接に関連していることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の助成を受けて平成24年度は2年目になる。1年目のデータ収集は妊婦健診結果と栄養調査の両方に協力の得られた妊婦は69件であった。2年目は83件と昨年に比べると14件多くデータを得られることができた。アンケートも順調に回答が得られた。 妊娠継続中の事例の出産を待って、次年度のデータと合わせて3年分のデータを分析する予定である。 国際学会に6月に発表することができた。 低出生体重児は11事例あり、その母体の体重増加と栄養摂取内容との関係を分析した。
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Strategy for Future Research Activity |
過去5年間のデータと次年度のデータを合わせると400件を超える予定である。そのデータをBMI別に母体の体重増加と妊婦の栄養摂取内容の関係から胎児の体重増加との関係を分析する。前回の途中結果では、胎児の体重増加は母体の体重増加と関連がある結果であったことから、母体の体重増加と栄養摂取内容との関係を詳細に分析する。 栄養摂取内容の質の視点から、PFCバランスからの分析を行う。問題のある栄養摂取の対象については、属性との関係を明らかにして、保健指導の一助とする。 2014年6月にICM国際学会の発表を申請、採択された。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.共同研究者への研究費の配分、 2.データ収集のための研究協力への謝金(週5日、1日3時間、1日1人) 3.調査協力の妊婦への謝金(図書券2000円とSDカード1500円) 4.学会参加の費用(参加費、交通費、宿泊費等)
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Research Products
(3 results)