2012 Fiscal Year Research-status Report
母親の健康チェックシートの開発と評価ー育児相談への活用と縦断調査の試みー
Project/Area Number |
23593310
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
清水 嘉子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (80295550)
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Keywords | 母親の育児支援 |
Research Abstract |
母親の心理的な健康状態を知るために作成した「母親の心の健康チェックシート」を用いて、縦断的な家庭訪問により育児相談を行った。実施群は3回の家庭訪問を6か月毎に行い参加した母親は20名である。相談者は大学の教員7名であり、1人2-3人の母親を受け持ち継続的に関わった。毎回育児チェックシートの項目以外の質問を受けると共に、育児幸福感を高める質問を用意した。最終回の時点で、チェックシートによる相談に対する質問紙調査を実施した。相談時は許可を得て録音し逐語録を起こした。 コントロール群では、実施群と同じ20名をめざし現在追跡中とし、同時期に育児チェックシート項目で構成される質問紙調査を行っている。 分析は、反復測定による一元配置分析と質的分析を行った。結果は、実施群、コントロール群の属性に有意な差はなかった。4時点のチェックシート項目の変化では、実施群に於いて子どもとの絆が上昇し、心身の疲労が低下した。夫の支援のなさは、上昇していた。本結果は、子どもの成長に伴う母親の変化であると考えることもできる。しかし、チェックシートを用いることで、母親は多くの気持ちを語ることができ、相談者は様々な関わりを持つことができていた。 そこでさらに、20名の家庭訪問による語りを質的に相談者の関わりと母親の語りの2側面から3回の育児相談の場面を分析している。今後相談者と関わりと母親の思いの視点から、分析した結果を論文にまとめたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究としては、現在までのところ、母親の心のチェックシートを用いての家庭訪問による育児相談を6か月おきに3回行った。また、計画外であったが、コントロール群による継続的な家庭訪問による効果について比較する必要から、その調査をスタートした。 現在50名ほどの母親を追いかけている。 また、縦断調査研究は継続して進行している。1歳6か月児を持つ母親を対象に調査が縦断的に行われている。 現段階で、3か月児を持つ母親の育児に対する自信と題して、論文を投稿中である。また、母親の心のチェックシートについての論文を投稿中である。保健師雑誌の連載の最終回に本研究の報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断研究の成果は、3時点の変化をを分析する視点から、最終年度になると考えられる。 当面は、チェックシートを用いた3回の家庭訪問による育児相談の結果を様々な角度から分析したいと考えている。 また、1歳6か月の子どもを持つ母親のデータがそろった段階で、横断データとしてまとめたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究は順調に進んでおり、国際学会に演題をエントリーしており、採択されれば一部費用をまかないたいと考えている。 その他、論文となった場合の別刷代金なども必要となる。 現在のところ、備品等の使用は予定されていない。
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Research Products
(4 results)