思春期にある小児がん患者とその長期生存者のレジリアンスを高める支援

2011 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 23593321
• Research Institution: The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing
• Principal Investigator: 石橋 朝紀子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (80305838)
• Project Period (FY): 2011-04-28 – 2014-03-31
• Keywords: 小児がん / 思春期 / レジリアンス

Research Abstract

研究の目的は、思春期の小児がん患者と長期生存者が、自ら弾力性を高めることができる支援のケアガイドラインを作成し、ケアの基準化とモデル化を行うことである。ポートフォリオを使用する支援方法で、研究対象者自らが目的を設定し、それを達成するための戦略を自分で考えることで、自信と達成感を感じ、弾力性を高めることである。また、ポートフォリオを実施する前後に行う半構成的面接と自記式調査用紙の調査結果をもとに、ケアガイドラインを作成することである。　具体的成果の内容：平成23年度は、調査の準備として、ポートフォリオを実施する研究代表者と研究協力者がポートフォリオに関する研修に参加しまた勉強会を実施した。ポートフォリオの1つのモデルを作成し、前調査としてそれを2名の思春期の子どもに実施した。その結果、そのポートフォリオのモデルは研究対象者に使用可能と判断された。これをもとに調査時に使用するガイドラインを作成した。前調査の成果を平成24年の10月に行われる国際学会で発表するために投稿した。　意義：研修や研究会を計画したことで、ポートフォリオについて研究協力者（専門看護師や認定看護師）全員が共通の知識を得ることができた。また、研究協力者がポートフォリオについて理解を深め、それを臨床現場で活用する準備に参加できたことは、積極的な姿勢で調査に参加できると考えられる。これらの経験は、今後研究協力者の臨床の現場でポートフォリオを取り入れていくことにもつなげられる。ポートフォリオのモデルとガイドラインを作成したことで、研究対象者への調査がスムースに進められ時間的な負担を軽減することができる。　重要性：研究協力者が調査に使用するポートフォリオのモデルとガイドラインを作成したことで研究の信頼性が高められる。また前調査を行ったことで、そのポートフォリオが12歳から30歳までの研究対象者へ使用可能となった。

Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初の計画以上に進展している理由として、１）研究調査が具体化できたことである。当初の計画では、研究組織は研究代表者、連携研究者2名、調査を行う研究協力者2名としていたが、調査施設が沖縄に決定したため、沖縄在住の認定看護師1名を追加した。現在、主治医が重症患者の診療におわれているため、調査は6月からの開始と具体化した。２）ポートフォリオのモデルを作成し、その前調査を行ったことである。当初の計画では、学校など健康な対象者に使われている規制のポートフォリオシートを使用する予定であったが、2種類のシートの中から研究目的に必要なページを選び単純化した。外来フォロー中の対象者には体調に配慮する必要があり、長期間の調査は難しため、時間的に短縮されたものにした。さらに、それを用いて2名の健康な思春期の子どもに前調査を行った結果、研究対象者に使用可能と判断できた。３）前調査の結果を国際学会へ投稿したことである。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究推進方策として１．研究対象者を当初計画していた10名から30名程度とし研究の妥当性を高めたいと考えている。そのために、調査期間の延長かもしくは、新しい調査施設を西日本の区域で開発する予定である。２．研究協力者が長期的な調査に無理なく参加できるよう1年分の日程表を作成し、早めに調査のための日時を確保する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究費の使用計画として　国内旅費として調査旅費と研究会旅費を予定している。また謝金等として研究補助者のテープ起こし料金と研究対象者の謝礼を計画している。