2012 Fiscal Year Research-status Report
乳癌・子宮頸癌検診受診率向上をめざした二世代健康教育プログラムの効果に関する研究
Project/Area Number |
23593326
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
赤羽 由美 獨協医科大学, 看護学部, 講師 (60593829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯本 敦子 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (10252115)
和田 佳子 獨協医科大学, 看護学部, 講師 (50293478)
今泉 玲子 獨協医科大学, 看護学部, 助教 (70389097)
|
Keywords | ヘルスプロモーション / 乳がん検診 / 子宮頸がん検診 |
Research Abstract |
本研究は、乳がん・子宮頸がん検診を普及させることをめざし、乳がん・子宮頸がんの好発年齢にあたる母親と保健行動を身につけるのに最適な年齢とされる青年期女性二世代を対象とした健康教育活動を具体化するプログラムを模索することを目的としている。 研究計画は3段階(1:質問紙・面接調査、2:健康教育の実施、3:プロセス評価)に分けて実施する。1年目は、質問紙調査の配布に手間取り、実施計画に遅れが出てしまった。今年度は質問紙の回収と分析、面接調査の実施と分析を行い、その結果から母親と娘の受診率向上のための健康教育プログラムの検討を行い、実施計画案を作成した。 質問紙調査は1200組の親子に配布し、娘190人(回収率15.8%)、母親208人(回収率17.3%)から回答が得られた。面接調査は協力の得られた11組に実施した。調査の結果、乳がん・子宮頸がん検診について、母親が娘にどのような影響を及ぼしているのかが明らかになった。母親と娘双方が「検診教育は親の役割」と認識しているが実際に検診の必要性について話している母親と娘は3割程度であり、その理由として一番多かったのは「話すきっかけがない」であった。娘の乳房自己検診・子宮頸がん検診・子宮頸がんワクチンの「実施」群は「未実施」群より、検診の必要性について母親と話しているものが多かった。また「乳がんになると思うと不安、子宮頸がんになる可能性がある、検診費用が負担、検診を受けることは面倒、検診を受けるのは恥ずかしい」等の項目において「思う」と答えている母親の娘も「思う」と答えているものが多く、母親の影響が大きいことが示唆された。これらの結果から母親と娘との会話や態度が、乳がん・子宮頸がん検診への動機づけとなることが示唆され、これらを踏まえた二世代健康教育プログラムを検討している。次年度は、二世代健康教育プログラムを実施し評価していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は研究の第1段階めとして質問紙調査を行い、配布・回収・分析まで終了する予定であったが、配布に手間取り、回収が平成24年の5月頃までかかってしまった。そのため質問紙の分析も遅れ、その後の面接調査の実施と分析にも遅れが出てしまった。平成24年度には質問紙調査の結果を学会などで発表する予定であったが、時期を逃してしまった。平成25年度は、学会などで、研究成果を発表する予定である。研究成果の発表などの部分で遅れてはいるが、研究自体の進行状況には、大幅な遅れはないため、今後も努力し、平成25年度には終了できるようにするつもりである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、現在、1段階目(質問紙と面接調査から、母親と娘の乳がん・子宮頸がん検診に関する実態と健康支援において考慮すべき要因の検討)が終了しており、そこから2段階目(1段階目の結果ら、母親と娘の乳がん・子宮頸がん検診受診率向上を目指した二世代健康教育プログラムの検討と試験的実施)の計画である、二世代健康教育プログラムの検討を行っている状況である。今後は、二世代健康教育プログラムを試験的に実施し、3段階目の計画である健康教育プログラムのプロセス評価を行っていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に使用予定であった研究費245106円が次年度使用となってしまった。当該研究費が生じた状況としては、平成24年度の研究計画がやや遅れてしまったからである。この研究費は質問紙・面接調査における研究の成果を発表するための費用等であったため、次年度には使用していくつもりである。 平成25年度の研究費は、母親と娘の乳がん・子宮頸がん検診受診率向上を目指した二世代健康教育プログラムの検討や試験的実施に向けて、またそのプロセス評価にかかる費用である。具体的には、試験的実施のための通信費や印刷費など(10万円程度)、物品の購入費(25万円程度)、研究支援者の採用費(10万円程度)、旅費(5万円程度)などに使用する予定である。無駄なく計画的に使用していきたい。
|