2011 Fiscal Year Research-status Report
出産後早期からの母子関係評価と援助方法に関する研究
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23593336
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 母子関係 / 尺度 / 新生児 / 出産後早期 |
Research Abstract |
平成23年度は、AMISスケール修正版の母子関係スクリーニングとしての有用性の検討を中心に行った。平成22-23年に尺度の使用許可を出した2組の研究者(大学院生)を対象に、尺度に関する説明と評定トレーニング、研究開始後は実際の評定に関するアドバイスを行い、研究終了後にAMISスケール修正版を研究に使用した感想についてアンケートを実施した。両研究者とも、分析対象数は20組以内(横断研究および縦断研究)で、授乳場面における母子の相互作用や応答性を測定する目的で用いており、母親へのインタビューやアンケートとの併用によって、対象の特性を明らかにするために用いていた。1.使用して良かった点については、点数化することで量的分析が可能になること。生後早期から使用でき、かつ妥当性・信頼性の確認されている尺度は限られていること。評価が段階的で、個人の変化がとらえやすかったなどが挙げられた。2.使用が難しかった点については、一部の項目に5段階のいずれにも当てはまらない現象が観察され、欠損とせざるを得なかった点、4点と5点の厳密な区別が難しく、評定者間一致度を高める努力が必要なことなどが挙げられた。3.評定が細かく5段階にわかれていることに関しては、ハイリスクのスクリーニングだけではなく、対象の母子にどのような特徴があるのか把握に適しているという意見があった。また、5段階の評価が難しい項目があるという一方で、段階が細かくあった方がさまざまな状況で活用できるという意見があった。4.二者関係の補足項目については、原版だけでは項目数が少なく、出生後早期には評価が難しい項目が含まれているが、それと比較すると新生児期の補足項目は評価しやすかったとの意見があった。以上のことより、今後の評定トレーニング方法の見直し、評定段階の再検討が課題として挙げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災の影響で、研究開始が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力対象の施設では、震災中に妊娠期を過ごした妊婦たちが不安定で、研究などの協力が得にくい状況であるとのことを助言として得ているので、状況を見ながらデータ収集に入る予定。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ集に必要な機材(映像機器)や研究参加者への謝礼品の購入、成果発表
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