2011 Fiscal Year Research-status Report
不妊症女性の冷えの特徴と、健康感及び妊孕性の向上をめざした教育プログラムの検討
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23593342
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
渡邊 知佳子 東邦大学, 看護学部, 講師 (20366503)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 冷え / 不妊症 / 深部体温 / 末梢部体温 / 躯幹部体温 / 体温較差 / 女性 / 妊孕性 |
Research Abstract |
1.プレテストの実施:質問紙を作成後、プレテストによって回答しにくい項目は無いか、回答の所要時間等を検討し修正を行った。また体温測定部位及びデータ収集の環境、例えば室温や対象者の体位、データ収集の手順、質問紙以外に口頭で調査する内容等を検討し、調査方法の精錬をはかった。2.研究対象者の募集:(1)不妊治療群の対象者:研究協力を依頼する病院の倫理審査委員会へ研究計画書を提出し承認を得た後、平成23年の12月より不妊外来待合室にポスター掲示とチラシを置かせてもらい、募集を開始した。また平成24年の1月に近隣で不妊治療を実施している診療所へ協力を依頼し、ポスターとチラシを置かせてもらった。チラシは対象者の目に留まりやすいように2週間毎に新しいものと交換した。(2)出産経験群の対象者:まず近隣の5つの幼稚園にチラシ配布の協力を依頼したが、すべて断られた。次に大田区報への掲載を希望したが断られたため、区内の特別出張所2カ所に依頼し街中の掲示板へポスターを掲示してもらった。さらに参加募集のチラシを回覧板に2度載せてもらった。また、対象者には調査後チラシを1枚渡し、該当する友人や知人に研究を紹介してほしいと雪だるま式サンプリングを依頼した。3.データ収集:平成23年12月よりデータ収集を開始した。1月末で29名しか調査できなかったため、2月下旬から3月までの6週間、週1日のペースで上記の病院へ出向き、院内の1室を借りてデータ収集を実施した。その結果、平成24年3月末で126名のデータ収集を終了した。データ収集は、プレテストを実施し必要な調査項目を精錬したこと、さらに面接調査のため質問紙の回答に不備があった場合はすぐに確認できたことから、全員分をデータとして使用できる状態にある。データ収集後はすぐにPCへの入力を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象者を募集するにあたり、研究協力を依頼した幼稚園にすべて断られたことや、協力を依頼した医療施設の倫理委員会の承認を得なければならなかったことにより、当初は10月から参加募集の告知をして、11月にはデータ収集を開始する予定だったのだが1ヵ月ほど開始が遅れた。また募集告知のポスターを掲示した後もなかなか対象者の目に留まらず、当初は思うように参加者が集まらなかった。そのため研究対象者へ積極的に雪だるま式サンプリングを依頼したり、回覧板等で参加募集を始めた結果、2月は40名、3月59名と順調に研究の参加者が増加し、2012年3月末日で計126名のデータ収集を終えている。 平成23年度の進捗状況としては途中少し停滞したところもあったが、概ね順調と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、当初は目標数に達するまで季節を問わず、引き続きデータ収集を計画していたのだが、平成24年の5月で一度データ収集を休止し、10月から再度データを収集することに計画を変更した。その理由は、まず気温が上昇するにつれて冷えの関心が薄くなり、参加者が急激に減少したこと、さらに現在のペースでは9~10月までデータ収集をすることが予測され、そうなると20℃以上外気温が異なる冬季と夏季のデータをどのように解釈し分析するのか、バイアスの影響を排除する困難性によるものである。平成24年4月現在までに150名のデータが収集できているため、残り約200名に関しては9月から参加募集を始め、10月からスムースにデータ収集を行い、計画を達成したい。 また、不妊治療中の女性を対象にした「健康感及び妊孕性の向上をめざした生活行動の教育プログラム」に関しては、今後は現在まで収集できた約150名(各群75名)のデータを分析し、そこから不妊治療群特有の生活行動や嗜好があるのか否かを検討する。そして特徴が明らかになった場合は、プレテストという形で、平成25年の1月ごろに少人数の不妊治療群の対象者へ教育プログラムの試案を実施したいと考える。しかし、もしも今回両群に差が見られなかった場合は、目標人数に達した後に再度分析し、平成25年度に教育プログラム案を実施することと計画する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度はデータの管理や分析に必要なパソコン、深部体温計モニターや体組成計など調査に必要な備品や物品の購入、分析ソフトの購入、研究対象者へのギフトカード(2000円×60名)を購入した。12月よりデータ収集を開始したのだが、どれくらいの対象者数が集まるか予測できなかったため、一応目標人数である350名分のギフトカード代金を残さなければならず、そのため平成23年度は研究補助者も使わず、購入予定だったプリンターの購入も見送った。 平成24年度の研究費として、現在までに研究対象者100名への謝礼のギフトカード200,000円を購入済みである。さらに10月からデータ収集する研究対象者への謝礼のギフトカード代金380,000円(2000円×190名)と、冷え改善の生活行動教育プログラムへの参加者のギフトカード20,000(2000円×10名)を計上する。また、平成23年度は研究代表者1名ですべてのデータ収集や入力を行ったが、平成24年度からは研究補助者を使い、データ収集や生活行動教育プログラム作成がより円滑に行えるようにしたいと考える。その研究補助者への謝金として300,000円、そしてデータ分析に関する専門家の助言を得たいので、その謝礼として60,000円を計画する。さらに生活行動の教育プログラム案を検討するにあたり、同じアジア圏で本邦より気温の低い環境下にある韓国へ行き、具体的な冷え予防・改善の方策を調査したいと考えているため、その外国旅費150,000円、韓国で話を聞かせてもらう専門家への謝礼30,000円を計上する。さらに備品としてプリンターの購入60,000円、調査及び研究に必要な消耗品、文献複写費等を含めて50,000円を挙げる。
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