2011 Fiscal Year Research-status Report
子育てバーチャル体験教材開発とインストラクション評価
Project/Area Number |
23593343
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
太田 浩子 東京工科大学, 医療保健学部, 助手 (30583934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 竹俊 東京工科大学, メディア学部, 教授 (10386766)
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (60318871)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | バーチャル子育て / e-learning / 小児看護学 / 教材開発 |
Research Abstract |
小児看護学における学習者の困難さは、近年において学生の身近に子どもがいないことや世話をする機会がないことにより、子どものイメージが図れないことにある。また、看護実践能力を高めるためには、問題解決思考とスキルが必要であり、インストラクションは、教えることを中心にするのではなく、学習者の外側や内側に働きかけ、問題解決思考と問題解決方略として有効な学習支援である。そこで、本研究は、看護学生が子どものイメージを促進するためにインストラクショナルデザインによる子育てバーチャル体験e-learningを開発し、その効果を検証することを目的としている。 今年度における研究の計画は、(1)子どもの成長発達段階の決定、その発達段階における形態機能の変化の整理、子どもの成長発達に関する文献や教材の分析、それらを元に(2)教材のコンテンツを検討し、草案を作成することであった。 (1)成長発達に関連する文献を取り寄せ、子どもの成長発達について分析を行った。具体的な内容は、各年齢区分と身体の成長の特性(粗大運動・微細運動・形態的な変化など)情緒を含めた言語、および脳機能の成長の特徴、生活上の特徴についてである。その結果を踏まえ、成長発達マトリクスを作成した。(2)教材のコンテンツの草案作成につては、その資料をもとにメディア担当の研究分担者との協議を行い、コンテンツの内容を検討した。また、問題解決思考を育てるための内省ができる機能、いわゆる振り返りができる教材にすることを検討した。結果、子育てについて教材化する場合、問題を提示し解答するような内容ではなく、正答を実施できた場合、動く、音が出る、振り返るなどの反応が返るコンテンツとする。自分で成長させるストーリ性のあるコンテンツとする。などが検討され、教材化の方向性が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度の予定は、子育てバーチャル教材のコンテンツ作成のための文献や他の教材などの分析を行い、学生が理解する内容やどのように理解を促進することが必要であるかを検討する期間としていた。また、研究代表者を中心にして、会議を設ける中で、新生児期、乳児期の発達段階に絞り、教材を開発することが決定している。また、コンテンツ作成のために、発達段階マトリクスを作成し、粗大運動・微細運動・情緒の発達・生活上の変化たとえば、排泄や食事、授乳などのシナリオを作成することが決定している。研究計画書に記載している草案の作成が一部にとどまっている点はあるが、当初の計画に沿って、研究分担者との会議を行い今後の予定も決定している。 現段階では、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
新生児期にある子どものバーチャル子育てについて、教材を作成している段階である。新生児期の子育ては、教材の一部であるがデモ機を作成し、実際に教材を使用して学生の協力者をつのり、実施し評価を行う予定となっている。評価内容として、現段階で教材のシステムのなかで、評価を5段階設定し、正答した場合、回答が誤った場合で、結果に違いがある設定とし、どのような段階で誤っているのかを評価する機能をつけることにしている。また、実施する前後に、子どものイメージ調査を行い、その変化を見る。さらに、思考の段階を評価するために、実施後にインタビューを行い、回答を得る中で、どのような思考が働いているのかを確認し、カテゴリー化を行う。教材の評価と並行して、乳児期である3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月・1歳の段階のシナリオを作成し、コンテンツの見直しを行いながら、さらに教材の作成と修正を行う予定である。尚、学生による評価の協力を得る必要があるため、倫理審査を受け実施する準備を行っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、新生児期という一部の発達段階であるが、教材のシナリオを4月の段階で決定し、それをもとに教材設計の具体案を7月までに作成し、11月までに教材を作成する予定である。その後、協力者による教材の使用を行い、その効果を評価する予定である。 今年度は、主な教材の仕様が決定したため、作成機器やソフトを購入した。学会の開催地が近い場所にあり交通費がかからなかったことと、教材開発のためのアルバイト料や会議費用が少ない状況が発生したことで、研究費が残った。次年度は、教材を作成する作業が中心となるため、作成協力者のアルバイト料が必要である。教材はiPadにより使用することとなるため、教材を使用するための機器の購入が必要になる。また、教材の効果を検証するためにインタビューを実施する予定であるが、教材使用時の学生の行動観察や教材となる素材の撮影などが必要となるため、必要機器の購入に経費が必要となる。 一部の教材を使用して、協力者をつのり教材の評価を行う予定で進行している。協力者への謝礼が必要になる。さらに、研究データーを分析するために、専門家への協力依頼などが発生するため、その謝金などが必要となる。また、研究に関する経過報告などを教育に関係する学会や小児に関する学会へ報告するための旅費などが必要になる。 研究計画書には、平成24年度より2年間を教材開発期間としていたが、一部の教材を作成し、その効果を見ながら、残りの教材を作成することになる。大きく計画とずれる事はないが、評価の進行が一部変更を余儀なくされることがある。
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Research Products
(2 results)