2012 Fiscal Year Research-status Report
子育てバーチャル体験教材開発とインストラクション評価
Project/Area Number |
23593343
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
太田 浩子 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (30583934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 竹俊 東京工科大学, 教養学環, 教授 (10386766)
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (60318871)
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Keywords | バーチャル子育て / e-learning / 小児看護学 / 教材開発 |
Research Abstract |
小児看護学における学習者の困難さは、近年において学生の身近に子どもがいないことや世話をする機会がないことにより、子どものイメージが図れないことにある。インストラクションは教えることを中心にするのではなく、学習者の内側や外側に働きかけ、 問題解決思考と問題解決方略として有効な学習支援である。看護実践力に必要な問題解決思考とスキルを養う学習支援でもある。 本研究は、看護学生が子どものイメージを促進するためにインストラクショナルデザインによる子育てバーチャル体験e-learningを開発し、その効果を検証することを目的としている。 平成23年度、開発する教材の子どもの成長発達段階、教材設計の特徴となるコンテンツ、教材の評価について検討し教材の作成に着手した。平成24年度は、平成23年度の企画をもとにシミュレーション型の新生児期の子育て体験学習教材を完成した。教材の主な特徴は、学習者の学習環境を制限せず、通学時間や空いた時間を利用できるように、パソコンはもちろん、iPhoneやandroid等マルチプラットフォーム対応のWebアプリケーションとした。また、看護実践力に関連する観察力、アセスメント力、子どもへの関心や興味を得点化できる教材設計とし、さらに教材の回答結果を可視化し、学習を振り返ることができる教材を作成した。作成した教材の検証のため、倫理審査を経て看護学生36名に実証実験を行った。結果、教材の学習効果として、子どもの成長発達における形態的、機能的発達の知識を高める教材であること、看護実践力に関連する観察力やアセスメント力、実践力との関連性が見える教材であること、さらに、学生にとって興味の持てる、学習の関連性がある教材であるという評価結果を得ることができた。その研究成果を学会発表し、現在、論文作成に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画書では、子育て教材開発を平成24年度、平成25年度の2年間で行い、平成26年度の残り1年で評価検証としていたが、平成24年度の1年間で教材開発とその検証を行い、その評価結果をもとにさらに開発を進めるよう一部計画書の修正を行っている。現段階では、修正した内容で、計画は順調に進んでいる。 教材の全体像として、子育て期を新生児期、乳児期前半、乳児期後半の3段階としている。今回はその一部である新生児期の教材開発を行い検証まで至っている。さらに、発達段階を進めて成長させながら、教材の開発を進め、検証していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した新生児期の教材に関して、初学者に対して検証を行う予定である。今回の検証では、既習の知識がある学生に協力を得て実施している。そのため、初学者に対しての教育効果を検証する必要があると考えている。平成25年度も継続し検証を進めていく。 さらに、今回開発した教材を基盤として、発達段階を3カ月から6カ月の乳児期の教材開発に取り組んでいる。特に、この時期の子どもの機能的、形態的発達は著しい変化がある時期であるため、シミュレーション上、どのように成長させていくか検討し作成する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、教材開発に必要な物品の購入と作業に必要な人件費、資料の文献購入、学会発表のための旅費に研究費を使用した。学会開催地が長距離とならなかったこともあり、旅費が予定より少なくなっている。また、研究計画書では平成24年度から2年間を教材開発に充てる予定であったが、平成24年度に教材の作成を新生児期、乳児前期、乳児後期の3段階の発達ごとに教材を開発し、検証を行うよう修正したため、平成24年度は教材1本の作成と検証となり予定の金額から繰越金が発生している。 平成25年度から平成26年度にかけて、乳児前期、乳児後期の教材に着手し、それぞれ検証する。また、開発した新生児期の教材をさらに多くの初学者を対象者に検証する予定で研究を進める。そのため、繰越金および当該年度資金はその教材作成のための資料、教材作成のための人件費や謝金、教材の検証のための資金や謝金、成果発表のための学会参加費や旅費に使用する予定である。特に、乳児期の子どもの発達は複雑であるため、作成する教材も複雑な構成の教材を作成することとなる。そのため、平成25年度も教材作成に費用が必要と考えている。
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