2013 Fiscal Year Research-status Report
家族機能を高める妊娠期保健指導プログラムの開発に関する研究
Project/Area Number |
23593348
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
神崎 光子 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (40305850)
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Keywords | 産後1か月 / 育児上の問題 / 育児困難感 / 家族機能 / 抑うつ / 育児自己効力感 / 母親 / 育児ストレス |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、産後早期の虐待や育児上の問題の予防をめざして、家族機能と育児上の問題との関連を検討し、家族機能の観点から周産期の援助の方向性を明らかにすること、さらに初産婦の育児適応を促す新たな介入プログラムの開発を目指している。 平成24年度は、前年度に行った調査研究「育児期早期の母親の育児困難感と家族機能に関する研究」の結果を分析し、学会発表した(第32回看護科学学会)。この研究成果から、育児困難感を軽減して育児適応を促すためには、家族機能を高め、新生児について学習し、母親の不安・抑うつを軽減することが有効であることが示唆された。 新たな介入プログラムを作成するためには、プログラムの効果指標となる変数と家族機能との関連を検討し、その周産期各期の時期的な特徴を明らかにして介入の時期を検討することが必要である。そこで平成24年度には、妊娠中期、末期、産後1か月時点の初めて子どもを持つ予定の妊婦および褥婦を対象に家族機能、抑うつ、育児自己効力感、育児負担感について横断的調査を行った。 平成25年度は23年度の研究成果について発表(17thISPOG)するとともに論文投稿を行った(査読中)。また平成24年度の調査結果を分析し、学会発表を行った(1stICICPCM)。本研究から妊娠期の育児自己効力感は、家族の情緒的絆、外部との関係機能が高いほど高まり、抑うつによって低下すること、また産後1か月の育児負担感は、抑うつによって高まり、抑うつによって育児自己効力感は低下する。しかし、家族の情緒的絆、役割と責任、外部との関係によって抑うつは軽減し、育児負担感を軽減することが明らかとなった。さらに妊娠中期と末期で家族機能得点、抑うつ、育児困難感に有意な差が見られなかったことから、妊娠中期の介入の可能性が示唆された。以上の成果をもとに妊娠期に行う新たな教育的介入プログラムを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年度の調査の産褥期のデータ収集に時間がかかったため、その後の分析、プログラムの作成等がずれこんだ。それにより平成24年度の調査、平成25年度の分析が遅れ、プログラムの作成に時間がかかった。さらに介入調査を予定していた施設の状況が変わり、プログラムの試験的実施ができなくなったため、施設を再検討しなければならなくなった。プログラムの効果を検証するためにプロジェクト期間を1年間延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、H23年度の研究成果を論文として公表する予定である。また昨年度行った初産婦を対象とした横断的研究の成果を論文投稿する予定である。また作成したプログラムを用いてその効果を検証する介入(パイロット)研究を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
作成したプログラムを用いて介入調査を予定していた施設の状況が変わり、プログラムの試験的実施ができなくなったため、新たに施設を再検討しなければならなくなった。 新たな施設を開拓し、プログラムの効果を検証する研究を行うためにプロジェクト期間を1年間延長した。 次年度の研究費使用計画として、物品としてプログラムの運営上必要な機材(ビデオおよび関連機器、視聴覚教材、オーディオ機器、タオルケット、クッション、新生児モデル人形、マット等)の購入、介入プログラムのテキスト教材の印刷費、データ入力人件費、データ収集アルバイト人件費、インストラクター人件費、データ収集交通費、論文投稿、英文翻訳費等の支出を予定している。
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