2011 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病女性のリプロダクティブヘルスに関わる支援ネットワークシステムの構築
Project/Area Number |
23593357
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
田中 佳代 久留米大学, 医学部, 准教授 (10289499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 カツエ 久留米大学, 医学部, 教授 (10279234)
加藤 陽子 久留米大学, 医学部, 助教 (70421302)
永田 真理子 久留米大学, 医学部, 助教 (70586908)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 糖尿病女性 / リプロダクティブヘルス / 支援ネットワークシステム / 糖尿病看護認定看護師 / ピアエデュケーター / 助産師 |
Research Abstract |
本研究は、糖尿病女性のリプロダクティブヘルスに関わる双方向性のある支援ネットワークシステムの構築を目指し、本年度は支援のキーステーションとなる看護者、ピアエデュケーターとなる出産経験のある糖尿病女性の育成にむけて、其々に求められる知識・態度を抽出と効果的なセミナーの内容検討のための調査を行った。 看護職者は、研究者が2年にわたり実施した糖尿病女性・家族と看護職者のセミナーでファシリテーターを務めた者に90分のフォーカスグループインタビューを2回に分け平成24年2・3月に実施した。大阪会場は糖尿病看護認定看護師2名、助産師1名、盛岡会場は認定看護師4名を対象とした。調査内容は、ファシリテーターの経験による意識とケアの変化の有無とその実際、支援のキーステーションとなる看護職者に求められるもの、看護者の育成に向けて必要とされるもの3点である。糖尿病女性は、セミナーで体験談を語りグループディスカッションに参加した1型糖尿病女性に看護職者への調査と同様に平成24年2・3月に実施した。京都会場は4名、東京会場は5名(1名出産経験なし、1名は京都会場と重複)を対象とした。調査内容は、体験談を語った経験による意識と他の患者への関わりの変化の有無とその実際、ピアとなる糖尿病女性に求められるもの、育成に向けて必要とされるものの3点である。現在、ICレコーダーに録音されたインタビュー内容を逐語録にし、質的分析に向け内容の整理を行っている。 セミナー内容検討の調査は、セミナーに参加し連絡の許可を表明した看護職者31名に平成24年3月に無記名自記式調査用紙を郵送にて配布・回収した。調査内容は、糖尿病女性への支援の意識、セミナー参加で変化したケア内容、役立ったセミナー内容、要望である。現在、20部を回収しデータ整理を行っている。 インタビュー・アンケート調査に際し久留米大学倫理委員会で審査を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、支援のキーステーションとなる看護者、ピアエデュケーターとなる出産経験のある糖尿病女性の育成にむけて、其々に求められる知識・態度を抽出と効果的なセミナーの内容検討を目指していた。そのための調査はすべて終了したが、分析まで終了できなかった。 平成23年度の目的の達成がやや遅れた原因は、まず看護職者へのインタビュー調査においては、対象となる看護職者の日程調整や会場・場所の確保に時間を要し、調査の実施が2・3月となってしまったことが分析までに至らなかった要因である。アンケート調査においては、インタビューの調整や研究者自身の他の業務で時間を要し、倫理委員会の提出が遅れたため、調査の実施が3月になってしまい、分析まで至らなかったことが要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、糖尿病女性のリプロダクティブヘルスに関わる双方向性のある支援ネットワークシステムの構築を目指している。今後は、キーステーションとなる看護職者の育成プログラムの開発と、出産経験のある糖尿病女性ピアエデュケーター養成に必要な方法の探究からピアエデュケーター養成方法の開発を行い、人材の育成を目指す。併せてその人材を活用できる従来から行っている糖尿病女性と看護職者のためのセミナーを、より効果的なものとなるよう検討し実践の取り組みを行う。 また、支援ネットワークに必要な資源・ネットワークの検討・開発ををすすめ、最終的に糖尿病女性のリプロダクティブヘルスに関わる支援ネットワークシステム構築を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.キーステーションとなる看護職者の育成プログラムの開発:平成23年度に実施したインタビュー調査より、キーステーションとなる看護職者に求められる知識・態度を抽出・整理し、系統化する。そのために、他の専門職者育成に関わる資料の収集、文献検討、分担研究者・研究協力者と意見交換を行う。試案の作成を行う。また、糖尿病に関わる専門家と育成プログラム試案に対する意見交換を行い、微調整を加え試案を完成する。2.出産経験のある糖尿病女性ピアエデュケーター養成に必要な方法の探究:平成23年度に実施したインタビュー調査より、養成に必要な知識・態度を整理し、系統化する。そのために、他の専門職者育成に関わる資料の収集、文献検討、分担研究者・研究協力者と患者会組織と意見交換を行う。それらを基に養成に必要とされる方法を整理する。3.糖尿病女性と看護職者のためのセミナーの実施 :分担研究者・研究協力者と平成23年度の結果を踏まえて、セミナーの概要を再構成する。それを基に糖尿病女性と看護職者のためのセミナーを実施する。セミナーの評価を対象者へのアンケート調査、ファシリテーター等のスタッフの意見交換をし、セミナーの内容・企画を最終決定する。
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