行政分野における中堅期保健師の現任教育に関する研究

2011 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 23593371
• Research Institution: Shiga University of Medical Science
• Principal Investigator: 藤井 広美 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10336844)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 畑下 博世 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50290482) ; 松田 宣子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10157323)
• Project Period (FY): 2011-04-28 – 2014-03-31
• Keywords: 地域看護学

Research Abstract

平成23年度は主として文献による課題整理およびインタビュー調査内容の精査を行った。中堅保健師の力量を強化するための課題として以下のことが整理された。(1)地域の課題を的確にアセスメントし、保健事業を計画し遂行していく能力、(2)住民、地域に対する果たすべき役割を認識し、より健康的な社会を構築していくための志と職業人としてのマインド、(3)保健師としての使命を果たし、職業人としてのマインドを突き動かすための原動力となるものを自ら育むことができること、(4)前述の3項目を意識しながら、自組織の活性化、スタッフの育成に取り組めること。一方、現状では中堅期は保健師自身のプライベートな生活においても、結婚、出産、育児、親の介護等の直面しなければならない課題を多く抱えている。そのような中で、自分の力の限界や求められる役割に対するプレッシャー、複雑な健康課題に対する無力感、それゆえの多職種や他機関との連携の困難さを感じており、スキルアップが容易に進まない状況があった。したがって、これらの実態を明らかにし、整えるための条件にかかる調査項目を追加する必要がある。そのための調査方法として以下の手順で調査を実施する。統括保健師あるいは一定の力量を持つと第3者に推薦された保健師にライフヒストリーに基づいたインタビュー調査を行い、モデル的に事例整理を行う。複数の事例を提示しながら、インタビュー協力者の参加を得てフォーカスグループいディスカッションを実施する。これらの結果を質的に分析する。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成23年度は統括保健師への聞き取り調査を実施し、課題検討および人材育成プログラムの試案を作成する予定であった。しかし、研究者自身の体調不良のため、計画を遂行することが困難であり、前述の文献等による課題整理にとどまった。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は、初年度に実施する予定であったインタビュー調査及びフォーカスグループディスカッションによる課題整理と育成プログラム盛り込むべき要件をまとめる。同時に、2施設における課題検討の取り組みに参加しながら、参加観察による情報収集を実施し、事業への取り組みを通した中堅保健師の力量形成プロセスと人材育成のために経験すべき活動内容の考察を行う。平成25年度は、この結果より得られた知見に基づき、育成プログラム案を構築し、現場の保健師とともにプログラムの試行および課題分析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

調査分析にかかる設備備品費、旅費、謝金等および会場費については、平成24年度にスライドして使用する。研究計画については、後ろ倒しになるが内容については大きな変更はしない。プログラムの精錬については、平成25年度可能な限り検討し、引き続き翌年度以降も継続していく予定である。