2011 Fiscal Year Research-status Report
島民と学生が取り組む「楽しく老いる島づくり」実践モデル構築と島民のQOLの変化
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23593375
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大西 美智恵 香川大学, 医学部, 教授 (30223895)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 離島 / QOL / 介入研究 |
Research Abstract |
過疎化・高齢化の進んだ小離島では、島民のQOL維持の面からも、機能しなくなりつつある島民同士の相互扶助を補完する新しい相互扶助の必要性が示唆されている。 そこで本研究では、島民と大学生が協働して3つのプログラム((1)パネルde今昔物語 (2)男木島ミュージアムマップづくり (3)いきいきサロンづくり)を実践することによって、「楽しく老いる島づくり」の実践モデル構築と島民のQOLに与えた影響を明らかにすることを目的とした。 まず初年度は、(1)パネルde 今昔物語(島民が持っている古い写真を借り受けるとともに、学生が当時の貴重なエピソードを聞き取り、それらを20枚の写真パネルとして作成し、写っている実際の集落内や周遊道に展示した。島民や観光客にパネルを見ながら楽しく散策していただくために、パネルの場所を示したマップも作成した。次いで、住民51名を対象に、PDCモラルスケールを用いて主観的幸福感の聞き取り調査を行った。対象者は、男性23名、女性28名で、平均年齢は71.7歳(SD10.3歳)、高齢者夫婦のみ世帯と単独世帯を合わせると76.5%であった。主観的幸福感の平均値は、農村地域をフィールドとした先行研究とほぼ同じ値であり、離島という環境が何らかの影響を与えるという結果は認められなかった。主観的健康観と経済状況および島外の子や親類からのネガティブサポートが主観的幸福感と関連があった。これらの調査結果をデータベースとして、2年後再度調査し本研究の評価の一部としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パネルde今昔物語と名付けたパネルづくりと島内への展示および、男木島ミュージアムマップづくりと名付けたパネルのマップづくり、およびPDCモラルスケールを使用しての島民の主観的幸福感のデータベース調査は、順調に進行している。しかし、いきいきサロンづくりの実施計画や組織づくりは緒についたばかりであり、進捗状況にやや遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
パネルづくりと展示、パネルのマップづくりは継続して行う。 23年度の遅れを取り戻すため、島民やコミュニティセンター職員の協力を得て、いきいきサロンづくりの実施計画の検討や、継続的な実施に努めたい。また、学生が自治会総会でサロンの実施状況を報告し、島民のより一層の協力を得るとともに、サロンへの関心喚起を行う。サロンの実施にあたっては、開催回数や参加者数等の把握、参加者の満足度等を調査するためにインタビューを行い、内容の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
パネルやマップづくり等の物品費に10万円、サロン運営費として17万円、島に通う旅費や研究発表のための国内外の学会参加旅費として50万円、満足度のデータ分析およびスーパーバイザーへの謝金として10万円、その他1万円の予定で実施する。なお、23年度の繰越金も含めての金額で計画した。
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