2011 Fiscal Year Research-status Report
児童虐待発生予防に向けた発達障害児の幼児期から学童期の地域生活支援モデルの開発
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23593376
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西嶋 真理子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50403803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 彩子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70533074)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 発達障害 / 親支援 / トリプルP / メンタライゼーション |
Research Abstract |
国内外における発達障害児の養育者の養育上の困難や躓き、効果的な介入方法について文献検討を行った。また実際に発達障害児を養育している親から、発達障害児の親の会の協力を得て、養育上の困難や躓きについて計5回、インタビューを実施した。発達障害を育てる養育者がもつ困難性の内容を質的に分析し、これらから得られた知見により、調査対象や調査項目の選定・検討を行った。さらにトリプルPの介入方法について研究メンバーで学習会を実施し、研究協力者1名が、新たにグループトリプルPのファシリテータ養成講座を受講し、ファシリテータの資格を得た。また、トリプルPにプラスした介入として、メンタライゼーションを導入したグループ介入の学習会を行った。発達障害児親の会のメンバーに育児プログラムであるトリプルPを紹介するための小グループセミナーを5回開催し、研究参加の動機づけを高め、研究対象者を確保した。これらの成果を踏まえて、介入計画を立案した。発達障害児を育てる親が感じる困難性は、初めての子どもを持つ親が一般的に感じる困難にプラスして発達障害という特性から生じる困難性があることを仮説として設定し、すべての親に対して汎用性の高いプログラムであるトリプルPに加え、認知の歪みを是正するメンタライゼーションの併用により、親支援の効果的な方略を探る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献レビューやパイロット調査が終わり、研究計画を見直し、修正を加えることができた。介入方法として当初予定していたトリプルPに加えて、メンタライゼーションの導入を決めたため、介入内容の調整を行った。当初は23年度内に介入前の調査を行う予定であったが、単年度内に介入前の調査・介入・介入の評価を行う方が、対象者へのメリットが大きいことがわかったため、介入前の調査を24年度に行うことに決めた。23年度中に介入の準備を整えることができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は研究対象者の募集と選定、介入群と対照群の割り付け、介入の具体的計画の立案、介入前調査、介入の実施、介入後の評価へと、研究の実行段階に入る予定である。介入効果の評価には、結果評価はもちろん、プロセス評価も行い、効果的な介入方法を明らかにするため予定である。研究メンバー間でプロトコルを作成し、正確な介入・データ収集・分析を行い、研究の信頼性を高める計画である。対照群には、評価の後で介入群と同じ介入を行う介入計画を立て、倫理的に不利益を与えないように対応する予定である。分析結果は、随時まとめていき、学会発表等で専門家からの知見も仰ぎ、質の高い介入や分析ができるよう努めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
介入前後の調査における調査表の印刷・郵送費、介入にかかる費用として養成講座の受講費、テキストや教材費、通信費等を使用する予定である。また、成果発表のための旅費などを使用する予定である。
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Research Products
(2 results)