2013 Fiscal Year Annual Research Report
児童虐待発生予防に向けた発達障害児の幼児期から学童期の地域生活支援モデルの開発
Project/Area Number |
23593376
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西嶋 真理子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50403803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 彩子 (井出 彩子) 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70533074)
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Keywords | 発達障害児 / 前向き子育て / 子育て支援 / トリプルP / ランダム化介入研究 |
Research Abstract |
児童虐待発生予防の観点から、発達障害児の養育者が幼児期から学童期の子育てを適切に行うための切れ目ない支援の示唆を得るために、養育者の抱える養育上の困難や躓きと対応家庭を明らかにし、良質な親子関係形成のための地域生活支援モデル開発を目的として研究に取り組んだ。まず、2歳から12歳までの発達障害の子どもの親から前向き子育てプログラム(グループトリプルP)の参加者を募り、申込みのあった12名を対象にグループトリプルP(全8回)を実施した。12名を無作為にA群とB群に6名ずつに分け、先にA群を介入群としてグループトリプルPの介入を行い、対照群であるB群と比較して、調査表を用いて、介入による効果を分析した。その結果、対照群には変化がなかったが、子育て場面での親のふるまい、子供の行動の難しさ、親の抑うつ・不安・ストレスのいずれにおいても介入群に改善が見られた。全セッションの会話の質的分析により、参加者全員が複数の課題に取組みながら、親は子どもの行動を記録するプログラムの宿題を通して子どもを深く観察し、子どもと話し合い、子どもと親の本当の課題に気づいたと考えられた。更に、親が課題に気づいた際、状況に応じた解決策を選択できるよう具体的な子育て技術を提案し、親はこれを自分の家庭に合わせて選択し活用できていた。最終年度においては、行政の子育て支援や他地域の親の会と連携し、さらに対象を拡大し、トリプルPの介入と前後の子育て場面での親のふるまい、子供の行動の難しさ、親の抑うつ・不安・ストレスについての調査と逐語録を作成しており、24年度までのデータとあわせ、介入効果と継続効果を分析するためのデータ収集が可能となった。
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Research Products
(2 results)