2012 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢者の介護予防に向けた社会関係の構築についての支援に関する研究
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23593385
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
斉藤 恵美子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (90251230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和子 宮城大学, 看護学部, 准教授 (00315574)
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
呉 珠響 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (80511401)
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Keywords | 高齢者 / 社会的役割 / 要介護認定 |
Research Abstract |
高齢者の社会関係の構築には、社会的役割が重要な要因の一つである。そこで、社会的役割の程度と要介護状態発生状況との関連を明らかにすることを目的として、追跡観察中の地域高齢者コホートのデータを解析した。2004年と2005年に健康診断を実施し、2010年まで追跡した地域高齢者1291人を対象として、社会的役割の程度と要介護認定の関連について分析した。社会的役割の測定は、老研式活動能力指標の下位尺度の社会的役割4項目とした(「友達の家を訪ねることがありますか」「家族や友達の相談にのることがありますか」「病人を見舞うことができますか」「若い人に自分から話しかけることがありますか」)。傾向スコア(年齢、性別、手段的日常生活動作)でマッチングした群間で比較した結果、社会的役割の4項目のうち3項目以下を「はい」と回答していた群(n=234)の方が、全てを「はい」と回答していた群(n=271)よりも、要介護認定発生が統計的に有意に1.6倍(信頼区間1.6-2.0)であった。この結果から、高齢者が十分な社会的役割を有していることが、将来の要介護認定発生を抑制することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究計画として、追跡観察中の地域高齢者コホートの社会関係に着目したデータを解析し、知見が得られた。これらのコホート研究の成果については、国際学会での発表を登録し、論文執筆を進めている。地域包括ケアについては、地域高齢者コホートの新たなデータの追加と解析のため、文献検討の結果を中心に整理し統合することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、地域高齢者コホートのデータをさらに追加し、社会関係の要因について分析を進める。社会関係の要因については、これまでの分析経過でデータを新たに追加し、一定の結果が得られる見込みがあるため、地域包括ケアの看護職の支援については文献検討の結果と統合して整理する。また、検証できた成果については国内外の学会で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度の研究費の使用計画として、これまでの資料を整理するためスキャナー等を物品費として計上した。また、調査と国外での学会発表のための旅費を計上した。
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Research Products
(1 results)