2013 Fiscal Year Research-status Report
子ども虐待予防に資する「ソーシャル・キャピタル」醸成方法に関する研究
Project/Area Number |
23593405
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 仁子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (40125919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 眞知子 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (10320996)
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Keywords | ソーシャルキャピタル / 子育て / 保健師 / コミュニテイ・ミーテイング / 主任児童委員 / 自治会 / 行政 / 世代間交流 |
Research Abstract |
本年度はコミュニティーミーティング(以下CMと称す)を実施した。まず、CMの住民の参加者について、主任児童委員、地区社会福祉協議会の会長、地区自治会長と検討し、参加候補者に対し説明会を開き参加について同意を得た。行政側の参加者については今まで係わっている部局に選出をお願いし、その方々へ個別に説明し同意を得た。メンバーは住民18名、行政4名、関係者2名、大学側(学生含む)10名で、合計34名であった。CMは9月から12月まで月1回で4回実施した。 話し合いの内容は、1回目は現状認識の共有で,小さい子どもの遊び場が少ない、転入者が地域内の組織になじむのが難しい等があがった。第2回では課題を整理して、現状認識から世代を超えた交流の場をつくろうということになり、第3回目には実施に向けての具体的な提案を検討し、対象は未就学児・学童、場所は公民館か小学校、実施内容としては世代が交流できるようにしたい、高齢者の方にも役割を担っていただいたらよいのでは等の多くの発言が得られた。第4回目は実施に向けての話し合いの中で参加者の数名が中心的に計画していきたいという意見が述べられ、子どもと親を対象に規模は小さなものでも来年度の4月から実施する方向でCM参加者を中心に動いていくということになった。 CMの評価としては終了後、CMの3回以上の参加者へのインタビューを住民5名と行政3名に対し行った。この結果については現在分析中である。 一連の本研究での活動の状況を地区住民に知っていただくための新聞「あらたまっこ新聞」を3回発行した。内容は昨年度実施したワークショップに関する記事、この地区で行った調査の結果について、そしてCMの内容である。この新聞は地区自治会を通し回覧した他、地区内の小学校、幼稚園、近隣地区の保育園で800部を配布した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもの虐待を予防することを目的にある1地区(自治体連合会)に研究者が行政職員等と協働しながらCMという方法を行いながら介入していき、協働活動をおこし地域のソーシャルキャピタル(対象地区住民 からソーシャルキャピタルはわかりにくいということで、絆強化と称している)を醸成いくプロセスを記述し、その効果も明らかにすることを目的としている. 昨年度まではフィールドにおいての基盤づくりと、CMについての理解を図る活動を実施すると共に、地区内の状況を把握してきた。本年度はCM実施と、直後の評価が主たる目標であった。参加者の選定までに時間が予想以上かかったが、無事CMが4回実施でき、直後の参加者へのインタビューも終了している。 このように計画通りにほぼ研究は進捗していると考える。 地区内ではCMを契機にCM参加者である主任児童委員、民生委員、健康普及員と他の委員が協力して、子育て広場への実施に向けて、関係行政機関と調整するなど動きが起きたことは大きな収穫と評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26円度は最終年度であるため、CMを行ったことの評価をする予定である。まずCMの参加者で本年度インタビューを行った方への1年後インタビューを計画している。 当初、地区住民への評価のための調査を計画していたが、一昨年度おこなった調査の回収率が3割弱であったこと、回答者の特定ができない状況となってしまったため調査ではない方法で行うことを計画中である。その方法は、この活動にかかわった自治会長や民生児童委員協議会の会長へのインタビューや、一般住民の方に対するグループインタビューを計画している。 本研究のCMを契機として始まった、子育て広場に対する継続的な支援も行いつつ、地区内のソーシャルキャピタルの醸成をはかっていきたい。 本年度も活動の状況を地区内に知らせるために、「あらたっこ新聞」を3回発行し、地区内で回覧、近隣地区内で配布等していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画時より、新聞作成費が節約できたことが、経費に余剰がでた大きな要因である。また、インタビューの経費も,実施が遅くなったため、26年度の使用となったことも要因である。 報告書作成等のため、WINDOWSXPの搭載のPCの変わりとなるPCを購入予定である(10万円)。その他セキュリテイソフト等の購入のための消耗品15万円、物品費合計25万円。学会旅費(神戸1人:2泊、7万円)、(神戸1人1泊3万円)三輪分旅費の合計13万円。新聞作成等の謝金22万円。新聞印刷25万円、報告書印刷6万円、テープ起こし7万円、交通費2万円、郵送費2万円,その他合計42万。 昨年度余剰分を加え総額102万円の使用予定である。
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Research Products
(1 results)