2013 Fiscal Year Annual Research Report
養護診断の体系化に関する基礎的研究-養護診断枠組みの定義及び分類の検討
Project/Area Number |
23593407
|
Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
遠藤 伸子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (90310408)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 加奈子 千葉大学, 教育学部, 教授 (10224007)
|
Keywords | 学校保健 / 養護教諭 / 養護診断 |
Research Abstract |
児童生徒の健康課題は、身体疾患だけでなく発育発達に関する課題、家族関係に由来する問題、学校という場や環境だからこそ起こる心理・社会的な問題など多岐にわたり、近年では人格形成にも影響を及ぼす深刻なものが増加するなど学校保健上解決すべき重要課題である。この様な課題の多くは、過去には顕在化しておらず、医学・心理学上の問題としてあまり認識されてこなかったため未だコンセンサスが得られた名称がつけられていない。そのため多くの養護教諭が解決すべき健康課題と認識しながらも、早期発見のためのアセスメントや解決の方途については科学的な視点での探究と体系化がなされていない。そこで本研究では、既に養護教諭が認識し、健康課題として対応している児童生徒の現象を全て明らかにし、その現象に名称や定義をつけ、今後開発(診断指標や対応方法)が期待される養護診断として提案するとともに、体系化と診断開発促進を目指し診断枠組みを提示することとした。初年度(平成23年度)は、全国学校総覧掲載の小・中・高等学校からエクセル関数を使用し無作為抽出した全国の1/10 校にあたる3800校に勤務する養護教諭を対象に調査を行った。その結果、養護教諭が既に対応しており、対応することは養護教諭の職務であると認識している子どもの健康課題を明らかにした。次年度(平成24年度)は、抽出された健康課題について関連要因や概知の知見を参考にデルファイ法を用いて分類し、診断枠組みの作成と養護診断名と定義を決定した。最終年度(平成25年度)は、全国調査にて新たに提案された養護診断の出現頻度を調査することと養護診断に加えるかどうかを決定するために再度全国の養護教諭に調査を行った。3年間の研究成果として、学校で対応するべき67の養護診断と定義、養護診断枠組みを決定し、提案すると共に、各養護診断の校種(発達段階)別の出現頻度を明らかにすることができた。
|
Research Products
(2 results)