2013 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者への救急・急性期治療ケア・マネジメントモデルの開発
Project/Area Number |
23593444
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇佐美 しおり 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (50295755)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福川 摩耶 熊本大学, その他の研究科, 助教 (30707039)
白川 裕一 熊本大学, その他の研究科, 助教 (60599372)
|
Keywords | 精神障害者 / 救急急性期ケアマネジメント / 統合失調症 / 気分障害 |
Research Abstract |
平成25年1月から平成26年3月まで、平成24年度までに作成した「救急・急性期ケアマネジメント」のケア・プロトコールを精神看護専門看護師がいる九州の2つの精神科病院急性期治療病棟において、統合失調症患者、気分障害患者を対象に、介入群(a病院)と対照群(b病院)で評価を行った。評価は、入院時、退院時、退院3か月後に病状、日常生活・社会的機能、家族の態度・行動、care満足度、退院後の再入院率で行った。介入群と対照群はさらに統合失調症患者と気分障害患者に分けて同じケア・プロトコールを実施した。統合失調症患者は、介入群32名、対照群38名で、両群とも入院時、退院時、退院3か月後に病状、日常生活機能、社会的機能とも改善が見られており、両群間に有意な差は見られなかった。しかし家族の態度・行動については、退院時、退院3か月後は介入群において改善されていた。これらの結果から、今回作成した支援プロトコールは、統合失調症患者の家族への支援には有効であったが日常生活・社会的機能を十分改善できなかった。また気分障害患者については、介入群74名、対照群36名を対象に、ケア・プロトコールの評価を行った。病状は、両群とも有意に改善が見られており、日常生活機能については両群とも改善が見られていたが、入院時は介入群の日常生活機能が対照群より低く、退院時、退院3か月後は介入群の日常生活機能が高く有意な差が見られていた。さらに家族の態度・行動については両群とも入院時から退院3か月後まで改善されていたが、介入群は、退院時、退院3か月後に有意に家族の態度・行動が変化していた。さらにcare満足度は介入群の方が退院時、退院3か月ともに有意に高くなっていた。これらの結果から、今回作成した気分障害患者の「救急・急性期ケアマネジメント」の支援プロトコールについては、有効であると考えられた。
|
Research Products
(2 results)