2012 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーション看護介入は外来血液透析者の睡眠覚醒リズム改善に貢献するか
Project/Area Number |
23593461
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
柴田 しおり 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (70254480)
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Keywords | 血液透析者 |
Research Abstract |
平成24年度は、まず血液透析者の睡眠・覚醒リズムの実態について解析し、日常身体活動量と睡眠覚醒周期について検討した。 対象者は、本研究への参加の同意が得られた外来血液透析者24名(透析群:年齢66.0±8.2歳、透析歴10.4±9.1年)と、年齢および体格をマッチさせた一般健常者24名(対照群:年齢70.3±6.8歳)であった。対象者に生活習慣記録機(ライフコーダ)を2週間装着させ、日常身体活動量を算出するとともに睡眠覚醒周期についてペリオドグラム解析を行った。また、睡眠に関するアンケート調査を実施し、7項目への回答を睡眠点として評価した。その結果、透析群の歩数(4,774±2,845歩)および睡眠点(23.7±3.7点)は対照群(8,696±3,047歩、26.1±4.2点)に比べ、有意に低値であった。また、両群の睡眠覚醒周期に差は認められなかったが、周期性の強さを表す分散ピーク値は透析群で有意に低かった。この周期性分散ピーク値に日常身体活動量が関連するかどうか回帰分析を行ったところ、歩数および睡眠点との間に有意な正の関連が認められ(r=0.375, p<0.05)た。これらのことから、日常身体活動量の多少というよりはむしろ、睡眠覚醒周期性の強さが睡眠感に影響を与えている可能性が示唆された。 また、1例に対し、看護師による透析中の運動介入を実施した。運動療法としてではなく、透析中のNAP予防の観点から強度・時間を設定し、週3回6週間の介入を行った。前後2週間はライフコーダの装着と睡眠に関するアンケートを実施した。主観的には、日常生活の中で体力(筋持久力)の変化を実感し、そのことが自信につながっていた。今後は、睡眠・覚醒リズムや睡眠指標の観点から分析をすする。そのうえで、生体リズムを整える看護介入が必要な透析者のクライテリアを検討し、その対象者に対する効果の検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、生体リズムを整える看護介入が必要な透析者のクライテリアについての検討であった。平成23年度に収集したデータの解析を行う中で、クライテリアを設けて対象者をリクルートすることには困難があり、その必要性を含めた再検討を要することがわかった。よって、平成25年度の対象者について再検討の必要はあるが、研究遂行に支障をきたすものではないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の目標は看護師による透析中の運動介入とその効果の検証である。 ・研究対象者確保のため、現有の施設のほかに対象施設を追加する(5月中旬~)。 ・睡眠への影響を考慮し、データ収集は冷暖房具の使用期間を念頭に設定する(6~7月)。 上記以外については計画通りで遂行可能と考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)