2013 Fiscal Year Annual Research Report
多職種によるリエゾン精神医療チーム内および一般科との間の連携・協働のあり方の検討
Project/Area Number |
23593473
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山内 典子 東京女子医科大学, 大学病院, その他 (10517436)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美恵子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10171802)
|
Keywords | 精神科リエゾンチーム / 連携・協働 / リエゾンナース / 臨床心理士 |
Research Abstract |
【目的】多職種からなるコンサルテーション・リエゾン精神医療チーム内の連携・協働、および一般科との連携・協働の具体的な過程および方法を明らかにし、一般病院に入院する精神疾患および精神症状を有する患者に対する医療・ケアの提供に向けてチームが効果的に機能するための示唆を得ることである。 【方法】2011年9月~2012年8月の1年間において、A大学病院の精神科CLTが介入した731件の事例に関し、単独の職種による介入とチームによる介入の差異を統計学的に概観したうえで、質的分析によりリエゾンナース・臨床心理士が介入した63事例の内容と構造を示した。 【結果】睡眠障害は医師、適応障害はリエゾンナースにより、また、せん妄等、移植前の精神機能評価、IV軸のある患者は単独の職種よりもチームで多く介入していた。リエゾンナース・臨床心理士は、医療者への教育的・情緒的支援にも重きを置き、チームの内外で連携を促進していた。各特性として前者は、看護チーム内の葛藤の調整、セルフケアの査定、適応障害患者への積極的傾聴を中心とした保証、後者は、客観的ツールも加えた精神状態の査定、精神病理の重い患者への体系的な心理療法を担っていた。 【考察】医学的・心理社会的複雑さからみる精神的問題とともに、医療者の対応の困難度を役割分担の指標とすることにより、多角的な見方、多方面からの介入が可能となると考えた。 【結論および今後の課題】 精神科リエゾンチーム内の連携について明らかとなった。一方で、診療科で担える事例と精神科リエゾンチームの介入を要する事例についての特徴は明らかとなっておらず、診療科と精神科リエゾンチームの間の効果的な連携・協働について示せていない。今後は、特に精神科リエゾンチームへのニーズが高いせん妄に焦点化し、これらを明らかにすることを課題とし、継続して研究を行いたい。
|