2011 Fiscal Year Research-status Report
観光地再生のための発展モデルの構築に関する学際的研究
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23614006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
十代田 朗 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70226710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津々見 崇 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40323828)
羽生 冬佳 筑波大学, 芸術系, 准教授 (40302971)
佐野 浩祥 立教大学, 観光学部, 助教 (50449310)
山崎 隆之 長野大学, 環境ツーリズム学部, 講師 (30447552)
直井 岳人 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10341075)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 町並み型観光地 / ライフサイクル / 雑誌 / 地方新聞 / 高山 / 倉敷 / 津和野 / 小布施 |
Research Abstract |
本研究は、観光地の発展過程をモデル化することを最終的な目的としている。具体的には、わが国の主な観光地を対象に、その誕生から現在に至るまでの発展過程を追いかけ、成長、成熟、あるいは再生・衰退等の段階に分け、さらに段階の移行の外的・内的要因(マーケット側、地域側)を探ることで、観光地の発展モデルを構築する。 今年度は、国内の町並型観光地を対象に、マーケティング、地域づくり両分野の視点から、観光地としての発展過程を明らかにすることを目的とした。研究手法としては、時系列に観光地の発展過程を辿る史的アプローチを採用している。研究の対象地は、高山、小布施、倉敷、津和野の4地域とした。数ある著名な歴史的町並み観光地の中で、この4ヶ所を選定したのは、近年増加傾向にある所と衰退傾向にある所、及び重要伝統的建造物群地区に指定されている所とそうでない所を組み合わせたことによる。 まず、メディアを通じたマーケット側への露出やイメージの変容等をマーケティングやブランディングの見地から捉え直すための材料を収集した。具体的には、旅行情報誌『旅』『旅の手帖』に掲載された1960年代中期以降の4地域に関する記事を抽出分析した。1960年代中期以降としたのは、歴史的町並みが本格的に観光地化するのはディスカバージャパンキャンペーン以降であることが予備調査で判明したため、その少し前からを対象期間とした。 地域側のデータに関しては、同じく1960年代中期以降の各種統計資料や地方新聞等の観光動向関連資料を収集した。具体的にはまず、調査対象地、及び周辺の史実を時系列に抽出し概略史年表を作成した。次に、地域内の出来事及び周辺環境の変化や観光ニーズの変容に着目し、盛衰の変化要因の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
わが国全体の観光動向や志向の変化に関する統計等、主にマーケット関係資料に関する収集分析がやや遅れている。また、現地調査や資料収集に関して、4地域を分担して進めていたため、収集資料や分析の統一性に関しては未調整である。 遅れた理由としては、旅行情報誌『旅』『旅の手帖』の収集に、予定より手間取ったこと、地方紙のレベルが異なり記事数に大きな相違が出てしまったこと、及び分担者を一同に会して議論すべき場があまり持てなかったため、記述の抽出方法の統一などが難しかったことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、町並型観光地の分析を進めるとともに、24年度は、研究の背景となるわが国全体の観光動向や志向の変化に関する統計等、主にマーケット関係資料に関する収集分析を早急に進める。その後、温泉地を対象に、観光地としての発展過程に関する資料を収集分析する。24年度もほぼ23年度と同様の手法で、わが国の観光地の中でも特に衰退が激しく再生が地域課題となっている温泉地またはリゾート地を中心に調査分析する。研究対象地の選定では、温泉地としてのタイプは似ているにもかかわらず、盛衰の過程が異なること、及びマーケティングによるイメージチェンジが行われたことに特に留意点する。国内3カ所、また、南ドイツの温泉保養地との比較研究も視野に入れている。ここでは特に、マーケティングやブランディングによるイメージや顧客の変化に注目し、その成功事例と失敗事例の比較分析を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の執行額に残額が生じたのは、研究の背景となるわが国全体の観光動向や志向の変化に関する統計等、主にマーケット関係資料に関する収集分析が遅れたためである。まず24年度はこれを早急に進める。次年度は、温泉地またはリゾート地を対象に、観光地としての発展過程に関する資料を収集分析する。研究対象地の選定では、国内3カ所、また、南ドイツの温泉保養地との比較研究も視野に入れている。ここでは特に、マーケティングやブランディングによるイメージや顧客の変化に注目し、その成功事例と失敗事例の比較分析を予定している。
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