2012 Fiscal Year Research-status Report
肝内脂肪量を指標とする生活習慣病予防と健康増進を目指す食事理論の構築
Project/Area Number |
23617029
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 逸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40276499)
|
Keywords | 内科 / 栄養学 / 糖尿病 / 生理学 / 食品 |
Research Abstract |
平成24年度は下記の2つの検討を行い、結果の一部を学会発表で報告した。 1.横断的検討:平成24年度は横断的な解析対象者の増加を図った。健常者集団としてBMI 23 kg/m2未満、かつメタボリックシンドローム(Mets)の診断基準の全項目に該当しない健常例は前年度までに45例、Metsと診断された未治療放置例は64例であったが、平成24年度3月末時点でさらに150例以上の同意を得ており、上下腹部CTによる体脂肪分布と1H-MRSによる肝S6領域の肝内脂肪量の評価を継続した。 2.前向き検討:食事療法単独における内臓脂肪減量の特徴を明らかにする目的で、糖尿病を合併する肥満例には体重減少効果もあるGLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬を使用し、食事療法単独群との比較検討を行った。GLP-1受容体作動薬群には食事摂取量は設定せず、これまでどおりの食事を継続させた。5%減量を達成した食事療法単独治療(30例)では内臓脂肪体積、腹部皮下脂肪体積ともに平均20%の減量、同様の体重減少を達成できたGLP-1受容体作動薬群(リラグルチド0.9mg、10例)では両脂肪量の減少率はそれぞれ13%、3%と明らかに低率であった。一方、肝内脂肪量の減少率は食事療法単独群56%、GLP-1受容体作動薬群56%と同程度であった。GLP-1受容体作動薬群は9例が半年後には体重が増加傾向を示したが、食事療法単独群は同じ体重を維持していた。従って、標準体重1kgあたり28kcal程度のエネルギー量は効率的な減量に妥当であると考えられた。さらに上下腹部CT検査で解剖学的な部位別減少率を検討すると、食事療法による内臓脂肪量の減少率は第3~5腰椎の部位が最大(25~30%)で、この位置は臥位での臍部に一致することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
横断研究の対象者の登録は順調に増加している。また減量に伴う体脂肪量の部位別の変化、食事エネルギー量の妥当性、食事療法と薬剤による減量の違いに関する前向き研究も進展しており、成果の一部は学会発表している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度はこれまでに登録された横断研究参加者の画像検査、生化学的検査をさらに進展させ、さらなる登録者の増加を図る。また最終的な総合解析に向けて前向き研究の登録例の増加も図る。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年も引き続き、上下腹部CT検査、1H-MRS検査、2重X線吸収法検査などの画像検査、および各種生化学的検査の消耗品、検査キット、PC解析用に100万円、交通費、事務通信費に30万円の計130万円を使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)