2013 Fiscal Year Annual Research Report
肝内脂肪量を指標とする生活習慣病予防と健康増進を目指す食事理論の構築
Project/Area Number |
23617029
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 逸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40276499)
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Keywords | 内科 / 栄養学 / 糖尿病 / 生理学 / 食品 |
Research Abstract |
本研究では1H-MRSによる肝S6領域の肝内脂肪量(intrahepatic lipid, IHL)を指標とする生活習慣病予防と健康増進を目指す食事理論の構築を目的とし、平成23~25年度の3年間で肥満者、非肥満者を合わせた156例に対して横断検討と前向き検討を行った。その結果、以下の項目を明らかにし、2013年の日本肥満学会、日本臨床生理学会で成果を報告した。 日常の生活活動がデスクワークや家事など軽労作が中心で、BMIが25 kg/m2以上、メタボリックシンドロームを呈し、75g-OGTTで耐糖能異常または糖尿病型を示す集団30例を対象に、標準体重1 kgあたり28 kcal、日米の糖尿病学会推奨の炭水化物55-55%、脂質25-30%、蛋白質15-20%、食物繊維量25 g以上の食事指導を継続的に行い、活動量は変更せずに1年間の推移を前向きに検討した。体重とBMIは平均 6.1 kg、2.7 kg/m2の減少を示し、IHLは平均56.4 %減少、上下腹部CT検査700スライスによる腹部脂肪体積の解析から内臓脂肪総体積と腹部皮下脂肪総体積は共に平均22.0 %の減少を認め、2重X線吸収法による体脂肪量と除脂肪量の平均減少率はそれぞれ12.8 %、3.5%であった。かかる変化に伴って生活習慣病に関わる指標(血圧、血清脂質、耐糖能、HOMA-R)はいずれも有意に改善した。以上から、生活活動強度が軽労作程度で、肥満とメタボリックシンドロームを呈する例には標準体重1 kgあたり28 kcal程度の食事療法では筋肉量の減少は軽微であり、内臓脂肪と皮下脂肪が同程度に減少し、肝内脂肪量が著明に減少することが明らかとなった。1年間の継続指導ではリバウンドを認めず、この程度の食事内容は無理なく継続できる可能性が高く、妥当な内容であることが立証された。
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Research Products
(2 results)