2011 Fiscal Year Research-status Report
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23650049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山田 耕二 京都大学, 高等教育研究開発推進機構, 教授 (00305294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 尚子 京都大学, 情報環境機構, 教授 (40521117)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 可視化 / ボリュームレンダリング / 解像度 |
Research Abstract |
平成23年度では,f-MRIにより多くの研究成果が得られている多安定知覚現象について近赤外光脳計測装置を使った脳機能計測を実施した。近赤外光脳計測装置についての情報を収集し、高価なf-MRIを用いることなく近赤外光脳計測装置により、ある程度可視化画像による気づきの効果を評価することが可能であることを確認した。近赤外光脳計測装置では、近赤外光を用いて頭皮上から非侵襲的に脳機能マッピングするもので、f-MRIに比べて空間解像度は劣るものの時間解像度においては優れた特徴をもつ。また、脳波計に比べて空間解像度において優れている。この近赤外光脳計測装置を一定期間デモユースで無償で利用し、まず第一に、多安定視知覚現象の脳内機構を解明することを目的として行なわれた機能的磁気共鳴画像(fMRI)による脳神経活動部位の同定結果と近赤外光脳計測装置による同定結果を比較することにより後者の有用性を確認した。続いて、さまざまな可視化結果を提示して、そこから想起される気づきの近く現象の脳内機構を解明することを目的として近赤外光脳計測装置による脳神経活動部位の同定に必要とされる脳内血流に関するデータ計測を実施した。可視化結果は、単純に一定色だけのものから、CGソフトを使って生成した複雑な画像を含む。可視化画像により気づきを得た被験者の脳内における前頭並びに頭頂連合野ネットワークの関与を確認するために複数の脳領域における脳内血流信号間の時間的な類似性から機能的結合を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
可視化効能評価において、近赤外光脳計測装置は、空間解像度・時間解像度に関して卓越した高さを持つわけではないが、MRI・脳磁計・脳波計と違って利用場所にあまり制約のないことがメリットであり、これからの活用が期待できる装置である。今回は、近赤外光脳計測装置を使って視覚的刺激呈示の際の脳内賦活領域の特定のための基礎実験を行うことができたことの意義はたいへん高い。この点では当初の計画以上であったものの、f-MRIを使った脳機能計測については、実施することができなかったことを勘案して、研究計画は概ね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
可視化画像を高解像度で表示することが多くなっている。人間の視力に適う解像度とはどの程度なのかについては科学的に解明されていないことが多い。人間の網膜上に分布する視細胞が画像提示のための画素とどのように対応するのかを調べ、視力に適う最小の解像度を明らかにする。近赤外光脳計測装置などの脳機能計測装置を使って解像度を変化させた場合にどのような変化が認められるのかを明らかにする一方で、従来から用いられている質問用紙法を使って気付きと解像度との関係を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、近赤外光脳計測装置を使った実験作業が年度末になってしまい、研究成果をまとめるための時間が不足し、結果として次年度使用額とした分だけ余剰がでることとなった。また、近赤外光脳計測装置の利用については本来費用が発生するが、初回ということで、デモ利用ということで利用負担金はゼロにすることができた。このため、来年度への繰り越し分は、今年度成果を公開するために必要となる論文投稿料や国際会議参加費などの経費やMRI・近赤外光脳計測装置などの脳機能計測装置の利用負担金に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)