2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650099
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桂 誠一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00401779)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | ハプティクス / 感覚行動システム / 行動空間 / ピコスケールサーボ / 電機統合システム / 双対性 / システムエネルギー変換 / バイラテラル制御 |
Research Abstract |
本研究では、実世界空間と超微細行動空間を結ぶ界面となるピコスケールハプティクス技術の開発を行った。この中で、身体性拡張の根幹技術であるバイラテラル制御技術に基づき、超微細行動空間から力覚を呈示するピコスケールハプティック呈示システムの開発に世界で初めて成功した。超微細な力覚のフィードバックには、これまでの設計論とはまったく異なるアクチュエータ設計技術、高性能サーボ技術およびロボットシステムとしての統合理論が必要不可欠であるが、本研究においてピコスケールサーボに特化した新しい設計手法について検討を行った。特に、ピコスケールでの力覚センシングは超高分解能エンコーダによる加速度センシングを基本とした力覚センサレス手法の開発について新たに開発を行った。 1.ピコスケール力覚センシング技術の開発 本研究では、ハプティックシステムのピコスケールでの加速度変化を抽出するために、31ピコメートルの超高分解能を持つリニアエンコーダとコアレス・コギングレスのリニアアクチュエータを用いたシステムを構成し、ピコスケール力覚センシングを実装した。さらに分布定数理論に基づいた無限次数で表現される接触環境情報の再構築手法を明らかにした。 2.ピコスケールハプティック呈示システムの開発 ピコスケールのエンコーダ情報の取得には高速な信号処理技術が不可欠であり、専用ハードウェアによる制御演算処理も含めた高速化が必要である。本研究では、専用の制御システムを新たに構築することにより、信号処理の高速化ならびに高分解能のセンサデータの処理に基づいたピコスケール制御系を実現した。さらに、その実装までを含む総合デザインにより、世界初となるピコスケールハプティック呈示システムを開発した。 上記の研究成果は2件の査読付き論文に結実するとともに、3件の学会発表を行い、成果の普及に努めた。
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