2013 Fiscal Year Annual Research Report
光スイッチング分子のナノカプセル化と細胞導入による細胞活動の光制御系の実現
Project/Area Number |
23650259
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
馬籠 信之 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70390052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アグラゼ コンスタンチン 京都大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30503651)
ORLOVA Yuliya 京都大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (90571901)
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Keywords | 心筋細胞 / 光スイッチング / 興奮性 / 光制御 / ナノ粒子 / 細胞導入 |
Research Abstract |
光感受性物質を用い、特定波長の光を心筋細胞に照射することにより、心筋細胞の拍動活動を制御できることを示した。これは、興奮性の細胞活動を非接触かつ可逆的に制御する手法としては、従来と比較すると非常に簡便な方法であり、臨将来的には臨床応用も可能である。 本研究においては、光感受性物質を、脂質-タンパク質複合体や金属ナノ粒子に吸着させて細胞内に導入し、その後の光応答性現象の確認を行なった。その結果、脂質-タンパク質複合体を光感受性物質と混合するだけで複合体に取り込まれ、蛍光観察の結果、その複合体は細胞膜を透過して細胞内に取り込まれることを確認した。この複合体は細胞内で徐々に消えていき、結果として、細胞の活動状態も変化した。しかし、光感受性物質の長時間暴露に対して、細胞の生存率が大きく減少することから、より生体適合性の高い物質の開発ならびに使用の必要性が高いことも同時に明らかとなった。細胞外液に混入する場合の濃度を基準として実験条件を設定していたが、細胞内に作用する場合には、細胞外から作用させるよりも大きな影響があることが考えられるが、詳細については今後の課題としたい。 また、研究の展開として、光感受性物質が細胞膜の構造を可逆的に変化させる可能性のあることが、細胞膜の表面観察や、電気測定の結果等から示唆された。この膜構造変化によって細胞膜のイオン透過性も変化し、結果として細胞機能の変化につながっているものと考えられるが、詳細なメカニズムについては、今後、さらに研究を進める必要がある。 また、現在は培養細胞の限られた領域での可逆的制御を行なっているが、本申請課題で得られた結果を基に、より大きな領域(例えば心臓全体)の光制御系への発展などを今後試みたい。
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Research Products
(1 results)