2012 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児のコミュニケーション支援をめざした認知状態モニタリングシステム
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23650267
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊良皆 啓治 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (20211758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 幸弘 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (30352199)
井手 順子 西南学院大学, 人間科学部, 准教授 (20289507)
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Keywords | 脳波 / NIRS / 非拘束計測 / 重度心身障害児 / 発達障害 |
Research Abstract |
本研究は、発達障害や知的障害などで周囲とのコミュニケーションが難しい児童が、学校活動や各種社会活動、さらには家庭内での活動の際に、その時々の状態を把握し、周囲とのコミュニケーションが円滑にいくように、認識状態をリアルタイムでモニタ出来るシステムの研究を行うことが目的である。このため、小型生体アンプを用いて脳波および心電図の計測、近赤外光で脳の血流を測定しデータを無線で転送するNIRS計測、さらに、手の動き、頭の動きを加速度・角速度で計測するシステムの構築を行ってきてた。本年度は、このシステムを用いて、重度心身障害児に対して、脳波と近赤外計測を用いて、名前を呼びかけを行ったときの脳の反応計測を行った。まず、健康成人を対象に測定を行った結果、名前やその他の単語に反応して,シータ波の同期がみられた。これに対して、重度心身障害児の測定の結果、名前を伸びかけたときに限って、シータ波の同期が生じることがわかった。このシータ波の同期は、名前以外の単語では見られず、名前を何か特別なものとして重度心身障害児が認識していると考えられる。本システムにより意識レベルが低い患者の認知状態をモニタリングすることが可能であることを示すことができた。 また、脳波、NIRSとは別に、加速度・各速度センサを用い、脳の微細神経徴候を表す前腕の回内回外運動を定量的に評価するシステムの開発を行い、通常小学校の児童約200名とADHDの児童の回内回外運動の特徴を抽出し評価を行った。その結果、ADHDの児童は健康児童の発達曲線から少しずれることがわかった。
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Research Products
(13 results)