2011 Fiscal Year Research-status Report
ナノ粒子MR流体アクチュエータを用いた上肢リハビリ訓練・評価システムに関する研究
Project/Area Number |
23650357
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
古荘 純次 福井工業大学, 工学部, 教授 (70107134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川谷 亮治 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30169734)
阿部 浩也 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (50346136)
小林 康孝 福井医療短期大学, その他部局等, 副学長 (80424448)
藤川 孝満 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (10388697)
小柳 健一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30335377)
原田 孝 近畿大学, 理工学部, 准教授 (80434851)
太田 貴士 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (10273583)
山西 輝也 福井工業大学, 工学部, 教授 (50298387)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | リハビリテーション / ロボティクス / アクチュエータ / 機能性流体 / 安全性 |
Research Abstract |
(1)単体元素の中で最も高い飽和磁化を有する鉄のナノ粒子を合成し,得られる鉄ナノ粒子をシリコーンオイル中に分散することにより,ナノMR流体を作製した。鉄ナノ粒子の粒子径/濃度,並びに有機分子構造がMR特性に及ぼす影響を系統的に検討し,リハビリ支援システムに適したナノ粒子MR流体の材料・プロセス条件を明らかにした。(2)磁場解析を行い、ナノ粒子MR流体を用いたコンパクトかつ電流消費の少ないMR流体クラッチを設計した。(3)2個のMR流体クラッチを用いてMR流体アクチュエータを構成する。本研究のシステムは2次元のシステムであるので、2組のアクチュエータを必要とする。そこで、本研究では4台のナノ粒子MRクラッチを開発した。開発したナノ粒子MR流体クラッチの最大伝達トルクは1N・mである。クラッチの導入により把持部からのバックドライブが容易となる。(4) アクティブな2次元上肢リハビリ支援システムを研究開発した。把持部には6軸力センサを備え、患者のリハビリ訓練テーブル面をおさえる力が計測可能である。ブロンストロームステジIII前後の患者は共同運動により、大きな力でリハビリ訓練テーブルをおさえる傾向があるため、この力覚センサの導入は有効である。(5)脳卒中等の運動麻痺を改善させるためには,異常な共同運動といわれる病的で定型的な運動から,それぞれの関節を独立・分離した運動へと促通していく必要がある。そこで、共同運動の検出が可能なシステムの研究開発を行った。複数の患者に対して、臨床評価を行い、その有効性を確認した。上肢を動かさずに上体を前後に動かすことによって、代償動作を行っている患者に対しては、研究開発したシステムでは共同運動を検出できなかった。このような患者に対しても、共同運動が検出できるようにすることが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)リハビリ支援システムに適したナノ粒子MR流体が開発できた。(2)ナノ流MR流体を用いたクラッチの研究開発が成功した。(3)2次元上肢リハビリ支援システムの基本機構部の研究開発が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)共同運動検出システムの改良を行う。(2)共同運動検出システムの臨床評価を行う。(3)振動グリップの研究開発を行う。(4)開発したリハビリ支援システムのグラフィクス開発を行う。(5)開発したシステムの臨床評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)共同運動検出システムの改良には消耗品費等を充てる。(2)共同運動検出システムの臨床評価には消耗品費、謝金、旅費等を充てる。(3)振動グリップの研究開発には消耗品費等を充てる。(4)開発したリハビリ支援システムのグラフィクス開発には謝金等を充てる。(5)開発したシステムの臨床評価には消耗品、謝金、旅費等を充てる。
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