2011 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の配偶者における健康影響に関する縦断的研究
Project/Area Number |
23650420
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Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
中谷 直樹 鎌倉女子大学, 家政学部, 講師 (60422094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 涼子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (70599901)
大庭 章 群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (40542874)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | がん / 配偶者 / 心理的苦痛 |
Research Abstract |
本研究ではがん患者及び配偶者の精神的苦痛を縦断的に調査することを目的にしている。研究施設は群馬県立がんセンター及び東北大学病院としていたが、東北大学病院における研究実施が困難になり、群馬県立がんセンターが研究施設となった。本研究対象者数は、平成23年度・平成24年度併せて、前立腺がん患者・その配偶者(妻)100組・200人、非がんの患者とその妻100組・200人の計400人を見込んでいた。以下、途中経過の結果を示す。平成23年度 (2012年2月20日まで) の調査対象者は、前立腺がん患者とその妻118組・236人、及び非がんの者と妻102組・204人であった。がん診断前(ベースライン時)において、前立腺がん患者と非前立腺がん患者の心理的苦痛 (K6≥14)を有する者の割合はそれぞれ36.1%、39.3%であり有意な差は示されなかった (P=0.16)。同様に、前立腺がん患者の配偶者と非前立腺がん患者の配偶者の心理的苦痛を有する者の割合はそれぞれ39.3%、31.6%であり有意な差は示されなかった (P=0.26)。ベースライン後6ヶ月時点において、前立腺がん患者と非前立腺がん患者の心理的苦痛を有する者の割合はそれぞれ38.1%、13.0%であり有意な差が認められた (P=0.008)。同様に、前立腺がん患者の配偶者(妻)と非前立腺がん患者の妻の心理的苦痛を有する者の割合はそれぞれ36.8%、19.2%であり有意な差が認められた (P=0.04)。前立腺がん患者及び妻はがん診断前には心理的苦痛を示す者は多くなかったが、その6ヶ月後に有意に心理的苦痛を有する者の割合が多かった。がん診断後、前立腺がん患者及びその妻に対する心理的苦痛を減弱する必要性が示された。平成24年度は、フォローアップ調査をさらに継続し、診断後の時期別に見た詳細な検討を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は群馬県立がんセンターでのアンケート調査を継続することが主目的であった。本研究目標数は、平成23年度・平成24年度併せて、前立腺がん患者・その配偶者(妻)100組・200人、非がんの患者とその妻100組・200人の計400人を見込んでいる。既に平成23年度 (2012年2月20日まで) の調査対象者は、前立腺がん患者とその妻118組・236人、及び非がんの者と妻102組・204人であり、目標数に到達している。今後は対象者に対するフォローアップ調査を実施し、脱落者が少なくなるように対応してゆく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策本年度は研究目標に到達した。次年度も研究目標に到達できるように最善の努力をする。主に下記に関する研究実施を計画している(1)研究分担者(大庭)における調査支援、資料収集、資料提示、(2)調査データのクリーニング、データベース作成、統計解析、(3)結果の公表。本年度も研究計画通りの研究遂行に努めます。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画主に下記に関する研究費を使用することを計画している(1)アンケート調査の統計解析における旅費(研究打ち合わせ)(2)文献検索に関する諸費用(3)消耗品本年度と同様適正な研究費使用に努めます。
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