2012 Fiscal Year Annual Research Report
健康法としての太極拳における身体軸制御方略に関する研究
Project/Area Number |
23650421
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
范 永輝 四国大学, 生活科学部, 助教 (10341265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安好 敏子 四国大学短期大学部, 幼児教育保育科, 教授 (00078908)
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Keywords | 健康法 / 身体軸 / 太極拳 |
Research Abstract |
1.平成24年度は太極拳初心者20名を被験者として、平成23年度の太極拳熟練者と同様の手順で研究を行った。弓歩と独立歩の2課題動作について被験者の映像撮影を行い、その後、身体各部の感覚、身体制御感の評定表と5段階の制御方略調査票を用いた面接によって、データを収集した。なお、個人情報の保護のため、撮影、面接は個別に実施した。 2.太極拳初心者のデータを整理し、以下の研究成果が得られた。 (1)映像と面接データから、初心者は身体軸を真っ直ぐに立てた「つもり」であるが、身体軸に偏りがあり、課題動作に誤りや歪みが確認された。身体軸を立てようとして、初心者は自分の指導者の動作の型を模倣する制御を行っていた。(2)動作を模倣するために、初心者は外的に見える型を同じにしようとする努力をしていること、指導者の言葉通りに模倣しようと努力していることが明らかであるが、この正しい動作をしている「つもり」の制御努力が、結果として不必要な、余分な力による身体制御となり、不自然な動きに繋がっていた。 3.太極拳熟練者と太極拳初心者のデータを身体、心理的制御の方法の視点から比較、検討した。熟練者の身体制御の「コツ」はゆるめることにあり、ゆるめるからこそ内部感覚を含む心身両面での微妙な身体制御が可能となり、自然な動きを生むが、初心者は正しい、自然な動きをする「つもり」で型を模倣する制御努力をするのが特徴であり、そのために逆に緊張した、不自然な動きになることが明らかとなった。 4.熟練者の「コツ」を用いた初心者指導実践に応用する計画であったが、検討課題があり、今後の課題とする。
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